妄想です。








自己満足のBLです。









妄想です。

水凰の工房からの帰り…
翔は
客間に飾られた刺繍絵画のことや
智の少し元気がない様子が

気になっていた…


水凰には
妻も子供もいる…そして
なにより、何かあったとしても過去の事…

まだ…好きなのだろうか…

何故
水凰は
今なら、あの刺繍絵画を飾ってもいいのか…

私はいったい…何を気になっているのか?
何故…
智に聞く事が出来無いのか?


翔は
智への自分が認識していた感情とは
違う
感情を認めざるを得なかった…


嫉妬…
水凰との過去が気になる…
どう思っているのか…気になる

私は智くんが…好き…

と知った…




智は
今まで…水凰の事は
誰にも知られないように
無かった事のように過ごしてきた

水凰に迷惑をかけ無い事
しか考えられなかった…

今日
僕は翔くんに誤解を招く行動はしたくなかった…

隠し事も…

前までなら
タカの刺繍絵画を飾ってあっても
無視していただろう…

あるいは、他の作品と同じ扱いを
していただろう…


翔くんの前で

水凰との 思い出の作品への
疑問を水凰に訪ねていた…
何かあると
思うよな…


翔くんが信頼できるからだけじゃない

僕は…
水凰より

いや…
誰よりも翔くんが大事なのだ…


嘘や隠し事はしたくない…
本当の自分を見てもらいたいから
なんだ…

二人はようやく
自分の気持ちを真っ直ぐ
見つめていた。




水凰は
出発の支度をしながら

あの作品を弟子達が出して来た時
初めて…
智が
泣きながら作品を仕上げていたのだ…
と気づいた

若さゆえの行動に
後悔していた…

あの時
自分は智も若さゆえの興味本位関係だと
勝手に思い込んでいたのだ…

いや
智の気持ちに気づかない振りをしてきたのだ

結婚祝いに
智から額装して貰った

困った時にはお金にするといいと
笑いながら
渡してきた…


妻への配慮で
飾らず工房で大切に保管していた

貰った時に気づかなかった…
シミがつくはずはないのに
三ヶ所  薄く滲むシミ…
額にも…飾り彫の飾りの一部に見えたのは
涙の跡


作品はあの時の智の気持ち…

飛びたつタカは多分

虫喰いや折れた老梅は

私の原画では雪中松だった
耐えて強くなる松ではなく

今その命の灯を消そうとする…老梅に
変えたのだ
その時は

白の刺繍糸が切れたから…と話していた

智らしい気遣い…

そして…
あれから智は
一度も誰とも付き合っていない…
全てが繋がった…




水凰は心から若旦那との事
応援したいと思った


しかし…あの智の優しさに
愛情表現に
若旦那は気づく事が出来るかな…
信じていけるかな…