妄想です。








自己満足のBLです。
妄想です。









妄想です


あははは
ははは
翔くん、よっぽど評判悪いんだな

あはははははは
腹を抱えて涙を出して笑っている

翔は
「すみません…
そうみたいですね…」

「あははは
仕方ないよな、翔くん
これから、これから
ははは」

智は笑いが止まらないようだった

和と潤は
不思議な顔をしつつ
翔をチラチラ見ていた

「潤のも昼にいただくよ…
二人ともありがとう。
その時はまた
翔くん、食べるの手伝って」

「はい」

和と潤は
豆鉄砲を食らった様な顔をして

櫻井屋をあとにした。

「なぁ…和
あの人どう思った?」


「あの捨て犬みたいな顔した人と
噂の人は違うんじゃないかなぁ…」


「和も    思った?
俺、あの人…嫌いじゃないかも…」

「あゝそうだな
潤に揶揄られても
困った顔してただけで 腹も立てず

智に笑われてた時の 情けない顔なんて
まさに、捨てられた子犬でしたね…くす
櫻井屋
持ち直すといいな」




「和…
昨夜
智のパトロンの話を聞いたけど」

「あれか
あの法衣屋のは、智が断ってた
昨夜、話してたよ」

「そうか
姐さんたちが、騒いでたから
心配してたんだ…
あの法衣屋の旦那…多分さ…
刺繍職人としてだけじゃ…」

「潤くん…それは…

櫻井屋が持ち直すのが一番
…なんですけどね

せめて糸を自由に使わせてあげたいんですけどね…
若旦那の翔さん、
しっかりしてくれるといいですね」

「あゝそうだな…
あの若旦那、花町じゃ
最悪の評判だったけどな…
喧嘩だけじゃなく、女にまで手を挙げたとか…
すっげー短気だって…
そんな風には見えなかったけど…」



「もう、手懐けたのかな…智
キバは抜かれたかもしれないなですね
潤くんの時みたいに…」


「和も牙抜かれたろ!
雅紀だけだろ
最初から牙がなかった奴なんて」

「まーくんは
智と同類な所があるから…」




工房では
翔が智の横にぴったり座っている

他の職人は気にはなっていたが
ようやく顔を出した翔に好意的だった

智は
自分の作品を刺し始めると
周りは見えないようだった



……………

………