妄想です。










自己満足の妄想です。
BLなんです。






妄想です。

新しい話しが浮かんでしまいまして…
気分転換に書いていたら
先にこっちが出来上がってしまった。

潮の香り…波の音の最終話は明日には
あげたいと思っています。
二人にしてあげたい事があり悩んでしまいました。
すみません。


ダーン!

突き飛ばされ壁に持たれて座っている翔

「おまえ、何
私を誰だと思ってるんだ」


「おまえこそ何だ…
留学から帰国して朝も起きれない奴が
母さんを怒鳴る?いい加減にしろや…」



「智さん
すみません。」

「奥様は悪くないです…
こっちこそ、大事な息子さんにすみません。
旦那様に品を届けに来たら
目に入って…
ちょっと腹がたってしまったもので…

なぁ…おまえ、目の前のこともできない 奴に
偉そうに、
これからの時代の話しなんてされたくないなぁ…」




翔は留学から帰国したのは
三カ月前
何をしたいのか?
朝は起きず昼近くにやっと起き
帳場などに、顔を出したかと思うと
これからの日本はと西洋の文化の違いを話し
夜は寄り合いに出ても挨拶もせず
花町に消える。
両親や番頭たちは毎日、心配していた…



明治…

日本はかつてない西洋文化の影響を受けていた…
日本に根付いていた日本古来の文化は
西洋文化に影響を受け姿を潜めていった…



和装から洋装に変わる文化の変化は

高貴な御婦人たちが、こぞって洋装へと
洒落た旦那集も洋装へと

呉服屋は まさにその文化の変化の波を受けていた
新しい(後に百貨店になる)品揃えの多い呉服屋も
出来て
昔ながらの
櫻井呉服屋は
舵取りを大きく変えることを迫られていた。



窓から西日が入ってきた…

智の日本刺繍の作業場の
終わりの時間が、もうすぐやってくる…



智は刺繍職人
かなりの腕で

和装の需要を減らした今でも
高貴な御婦人の帯や着物はあたり前、僧侶の袈裟から
小間物など…

この頃は主流は刺繍絵画、かなり注文を受けていた。

刺繍絵画は西洋市場で人気があり
櫻井屋貿易部門が有名になったのはそのお陰ではあった。

翔の留学の外貨をかなり智の作品で捻出させていた。

智は、日本画家からかなり人気があり
挙って   是非、智に刺繍を刺してくれと
原画を描いてくる画家たちがいたからだ

独立して工房をと
話しもあったが

義理堅い智は独立もせずに
この京都でも大店の呉服屋櫻井屋の
お抱え職人を続けていた


試作品の獅子の刺繍を旦那に一見をと思い
母屋に行った

智は厳しい顔で

「いいか…留学から帰国した若旦那達には
これから沢山出てくる…
それだけじゃ
この時代に潰されてしまう

立派な櫻井屋が落ちぶれて行くのは
見たくないからな…

少し…考えろ…な。」


翔の頭を
身体には不釣り合いな大きな手で
撫でた
甘い香りがした…

「奥様
それじゃ旦那様に会ってきます。」

「智さん
翔のこと宜しくお願いします。」

「ふふ、私が嫌われてなければですけど…
失礼します。」

翔は先程見た大きな姿とは違う
風呂敷を大切そうに抱え、猫背で足音が聞こえない後ろ姿を
見送っていた…

なんだよ…いきなり突き飛ばしやがって
しかし、あんな小柄な身体の
どこに?あんな力があるんだ?なんだよ…

「翔さん?」

「母さん…すみませんでした。
頭、冷やしてきます。」

何がわかるんだ…あんな奴に…
私だって……