心の病を患う人に共通する事がある。


それは、人前で明るく振る舞おうとする事だ。

そして、自分の病気を隠す。


思うに、

『ネガティブで憂鬱な自分を見られてしまったら、みんな離れて行ってしまう』

という恐怖があるのだと思う。



私は思う。

なぜ笑うのか?


あなたは苦しいのだろう?

苦しいのになぜ笑う?


車に轢かれて骨折したら、骨が折れてて歩けないだろう?


そうすれば、親切な人が手を貸してくれるさ。

誰も、その折れた足を踏み付けなどしない。

流れ出る血を見て、逃げ出したりもしないさ。


きっと誰かが見つけてくれる。



心の病だって同じなんだ。


感情をコントロール出来ず泣いたり、叫んだりして、本当に苦しい時、一体誰がその心を踏み躙るのだ?


精神が悲鳴をあげているその時、一体誰が逃げ出すというのだ。



苦しんでいる姿を隠したら、誰も気付いてくれない。


車に轢かれて、吹き飛ばされた時、

『誰か助けて!!』

と叫べば絶対に誰かが来てくれる。


人間はそんなに冷酷じゃない。




精神病は、病気や怪我と同じなんだ。


風邪をひいたら、安静にして薬を飲む。

誰かがポカリを買ってきてくれるさ。


骨が折れたら、固定して鎮痛剤を飲む。

エレベーターに乗る時、誰かがドアを押さえてくれるさ。


盲腸になったら、手術をして除去するのだ。

痛くて身動きが取れない時、誰かが励まして肩を貸してくれるさ。


心が苦しかったら、仕事を休んで、薬を飲むんだ。

泣いて塞ぎ込んでいたら、みんなが助けてくれる。



私はそう思ってる。

そう信じてる。

だって、私はみんなにそうするから。

みんなも私にそうしてくれる。


まぁ、中には、ポカリ買ってきてくれない人もいるとは思う。

エレベーターに乗せてくれない人もいるだろう。

そればかりか、折れた足を踏みつける人間の屑もいるかもしれない。


けど。そんな人は、きっと少数派のはずなんだ。




精神が疲弊して、悲鳴をあげているのに、明るく、笑って、いつも通りにするなんて。


そんなの、インフルエンザで39度の熱が出ているのに、トライアスロンに参加するようなもんじゃないか。



人間はそんなに捨てたもんじゃない。


笑わないで欲しい。

苦しい時には、笑うべきではない。

そして、精神疾患を隠すべきではない。


『風邪をひいちゃったんだ。』

同じ事だ。

『適応障害になって、今心療内科に通ってるんだ。』


私は、私の心の病について、周囲にオープンにしている。

隠さない。


笑えない時は笑わない。


みんな分かってくれる。

人間は、みんなが思ってるよりも、ずっと優しいんだ。