「トリック」や、「クロサギ」(クロザキ?)などの作品に、興味を持つ人なら、一度は聞いたことのある言葉であろう
この、コールドリーディングとは、いわゆるイカサマの手段の一つである
自らを霊能力者であるなどと謳う人が人気を出すためには、どんなことをしても、相手のことを知っているかのごとく振舞う必要がある
そのときに使われるコールドリーディング
相手の細かな動揺や不安感などを読み取り、巧みに欺き自分を信用させるのだ
(テレビで実弾ロシアンルーレットを生放送した心理学者は、この手法を用いた手品などを行っているが、実弾ロシアンルーレット自体がイカサマかどうかは不明)
以下、こちらから引用
http://www.nazotoki.com/cold_reading.html
・ ドリス・ストークスの実演
まず最初は、イギリスの人気霊媒ドリス・ストークスが、BBCテレビで行った霊視を紹介する。
ストークスは数百人いる聴衆に向かって、「小さなダニエルちゃん」のことを知っている人がいないか聞いた。すると一人の若い女性が壇上にのぼって、「私にはダニエルがいます」と語った。以下は、『ハインズ博士「超科学」をきる
』テレンス・ハインズ(化学同人)からの引用である。
ストークス | 「小さなダニエルちゃんのこと?」 |
女性 | 「とっても小さいの」 |
ストークス | 「すると赤ちゃんのダニエルのこと? その子は病院に戻らなければならなかったのね?」 |
女性 | 「ええ、病院に戻らなければなりませんでした」 |
ストークス | 「でも、今は幸せなのね」 |
女性 | 「いいえ・・・ええ、あなたの(霊の)もとであの子は幸せなのかもしれません。でも、私たちはあの子を失ってしまった」 |
ストークス | 「ええ、そうですよ。霊たちがいっています。あの子は幸せだって。それに『私たちは小さなダニエルを連れもどして、家に帰ってきたのに、また病院にもどらなければならなかった』といっています。それでダニエルは二度と家に帰らなかったのね。でも『今では幸せです』といってるのよ。そうすると、ダニエルは今でも三歳くらいなのね?」 |
女性 | 「ええ、なったばかりでした」 |
ストークス | 「彼が見えるわ。褐色の髪をしているのね」 |
女性 | 「ええ、そうです!」 |
ストークス | 「そうよ、ここにいるの、花を見ている―『ええ、ダニエルできるわよ』―『お母さんに花をあげることができるか』っていってる(聴衆ため息)。ならね、今晩帰った時に、いいわね、花をもって行くわね?」 |
女性 | 「でも、ダニエルは私の赤ちゃんじゃなかったんです」 |
ストークス | 「ええ、そうね。でもあなたはお母さんを知っている」 |
女性 | 「はい」 |
ストークス | 「彼は、『僕、お母さんのところに持って行っていいかな。だって僕がここにいるってお母さんは信じてくれないんだもん』と言ったの。かわいいでしょ彼、・・・ちょっと待って、ダニエル・・・心臓を患っていたのね(女性うなずく)お医者さんも治そうと頑張ったけれど、よくならなかった。でも彼は成長して、もうすぐ三歳になるっていっている、それにこうもいっている・・・」 |
以下解説
いかがだろう。このやりとりを読んだ人の中には、ストークスの自称霊能力は凄いと思ってしまった人もいるかも知れない。
まず初めに、女性が「私にはダニエルがいます」と語ったことから、(1)ダニエルは生きていて (2)ダニエルはこの女性の子ども であることが推定できる。次に女性は、ストークスの「小さなダニエルちゃんのこと?」という問いに対して「『とっても』小さいの」と情報を提供している。
次は、「病院に戻らなければならなかったのね?」という問いかけである。これに対し女性はYesと答えているが、ここでNoという答えが返ってくることはまずありえない。なぜなら、幼いうちは病気にもかかりやすいからだ。つまり、ダニエルが一度でも病院で医者に診てもらったことがあれば、「病院にもどった」と言うことができるのだ。
次で思わぬミスをする。「今は幸せなのね」という発言である。発言自体はポイントを稼ぎにいったもので、一番最初の女性の発言から「ダニエルは生きている」ということを推定し、前のやりとりから、「病院に行ったが今は治った」と推測をしたのだ。
しかし実際は違った。
病気が治って幸せかどうか以前に、ダニエルはすでに亡くなっていたのだ。
本来ならかなり痛いミス。ところが幸いにも女性は「あなたの(霊の)もとであの子は幸せなのかもしれません」と勝手にフォローしてくれている。このように、相手(カモ)がリーディングを行う者のことを信じている場合、ミスをしても勝手にフォローしてしまうことがある。
次は、ストークスがダニエルの年齢と髪の色を当てたことについて。一見すごいことのように思えるが、実は大したことはない。
年齢に関しては、ダニエルは「とっても小さい」という情報をすでに入手している。そこで、「3歳『くらい』なのね」と言えば、わざわざ『くらい』と付けているのだから、2歳と4歳はカバーできる。
では、もし0歳か1歳だったらどうするのか? この場合は亡くなってから時間が経っているのあれば、「“もし生きていれば”3歳くらい」と言えばいいし、時間が経っていないのであれば、「“天国では”成長が早くて3歳くらいになっているのよ」と言えばいい。
髪の色については「褐色」という描写が、ブロンドと黒髪以外大抵の髪に当てはまるという事実を知っていれば別に驚くことではない。
・2度目の失敗
女性の最初の発言から推定していた二番目の情報、「ダニエルはこの女性の子ども」という推定が、なんと! 間違っていたのだ。
女性の「ダニエルは私の子どもじゃなかったんです」という発言を私が初めて読んだ時はその展開に驚いたものだが、それよりも驚いたのはストークス本人だったろう。花をあげていいかなどと、泣かせる小芝居をしてる場合ではないのだ。
しかし女性のこの予想外の発言に対して、ストークスは「ええ、そうね」と、いかにも最初からわかっていたかのように受け答えをしている。さすがはイカサマ霊媒師。たとえミスったとしても、常に自信のある態度を崩してはいけないのだ。
では最後に、「ダニエル・・・心臓を患っていたのね」という発言はどうだろう。これは、心臓病が幼児期の死にいたる疾患の中では、おなじみものだということを知っていれば驚くことはない。
また、もしハズれてしまったとしても以下のように言い張ればいい。
(家族に、死因は心臓発作じゃなかったと言われて・・・)
「最終的には心臓発作に襲われたんだって、彼は私に言ってるわ」
・・・ハズしたときは霊が助けてくれるのである。
とても長々と書かれているので、少々削ってある
詳しくはそちらのサイトでお確かめを
このように様々な工夫をして、相手を納得させる
それが、第二、第三のカモを呼ぶのである
しかし、コールドリーディング自体は、大して珍しいものではない
今の時代、セラピスト、セールスマン、警察などでの尋問などによく使われている
日本には、この言葉すら知らない人も多いので、知らず知らずのうちに覚えている事もあるだろう
しかし、ここで強調したいのは、「こういたことを出来ること自体に、才能が必要」だということだ
私が18年生きてきた中で、これをまともに出来る人間は見たことがない
(テレビは除く)
相手の微妙な動作を見抜くのは実に困難である
相手によって反応が違う場合や、相手が意図的に動作する事もあるからだ
つまり、コールドリーディングを行える才能というのは、「一目で相手の癖を見抜く」ことだ
まあ私自身は、こういったことでお金を稼ごうとする気持ちすら理解できないが、、、
しかし、こういったことで儲ける人間や、カモにされる人間がいることは事実
他人を信用しにくくなった今、こういった現実にも目を向けねばならないと、私は考えている
果たして、この長い文章を読みきる人が何人いるのか