「身」を「美」しくするとの語源から、「躾（しつけ）」という言葉は生まれました。

多くは、親が子を育てる際に使いますが、身近に認知症の実母がいる60歳の筆者は今、「自分のしつけ」に取り組もうと考えています。

何故なら、認知症になると、脳の前頭葉が委縮することで感情抑制能力が低下し、本来もつ性格がコントロールできなくなるからです。

元々自信家で頑固な人は全く人の言うことを聞かなくなるし、神経質気味の人は些細なことでも気になり、文句を言ったり怒ったり怖れたりして周りを困らせます。

認知症は、80代で4割、90代で8割の人にみられ、高齢になればなるほど発症リスクが高まるため、頭がしっかりしている今のうちから発症後のことを考えて準備する必要があると思っています。

筆者が自分で直さないといけないと考えているのは、家族に時々言われる「絶対自分が正しいと思ってる」です。

自分ではそんなつもりは毛頭なく、相手が正しければ尊重して従いますが、間違っていると判断したときの言い方がどうやらキツイそうです。

そのため、アラカンから「実るほど首を垂れる稲穂かな」を座右の銘として、常に謙虚な姿勢で人と接するよう日々心掛けています。

問題は、筆者の場合、正義感が人一倍強いため、相手が間違っている上に「悪」（特に弱い者いじめ）だったとき、ブレーキが効かなくなり、その悪人を上から目線で徹底的にやっつけないと気持ちが治まらないところです。

これは直すのが難しく、結果として、無駄な努力で終わるかもしれませんが、約半数の人が認知症になる80代まであと20年もあるので、「身を美しくする」精神で、広い心をもてるよう「自分のしつけ」を気長に頑張ろうと思っています。

愛する家族や周りに迷惑をかけたくないし、最期に「死んでくれてよかった」などと内心ホッとされるのは悲しすぎますからね。

【絶対自分が正しいと思っているオキナインコのアイ】