完全に風邪ひいてしまった……。
朝起きた瞬間から寒気は酷いし、頭がガンガン。
最後の一押しは体温計に表示される38.5の数字。


今日はそこさくの収録日…。
企画趣旨が櫻坂一致団結なのにキャプテン不在って
駄目だよね……。

幸い顔色が悪い以外は傍から見て体調不良だとわかる要素はない。私はいつもよりメイクを濃くして家を後にした。


「おはようございます……。」
「おはよう、ゆっかー。あれ?なんか元気なくない?」
「土生ちゃんおはよぅ…そんなことないよー笑」

割と鈍感な土生ちゃんにも感ずかれてしまうなんて
そんな体調悪そうだったかな?気をつけないと……。



「…か…ゆっ…ゆ…かー、友香ー。」
「ん?」
「あ、やっと気づいた。土生ちゃんに言われてきてみたけど……やっぱり体調悪いんじゃないの?」
「そんなこ「嘘だよ。さっき理佐が呼んでたのにも気づいてないでしょ。」

え……。嘘……。

「体調悪かったら素直に認めるの。ほら体温計、測って?」

渋々茜から体温計を受け取ろうとした時、
ちょうどスタッフさんに呼ばれてスタジオに移動することになった。














私は今大きな後悔をしている。
収録の途中から何度もやばいなとは感じていた。
熱が上がるのか震えは止まらないし、頭の痛みも増していく。極め付きは吐き気が出てきたことだった。
1本分の撮影が終わり、一旦休憩に入る形となったため
楽屋に向かう階段を昇っている途中ついに限界は来た。
目眩がして思わず階段の途中でしゃがみこむ。
嫌な汗は吹き出てくるし、吐き気の波も一層強くなる。
そばを歩いていた茜や玲ちゃんが何かを言ってるけど
何も耳に入ってこない。
吐き気のいちばん強い波が来た時、思わず私は嘔吐してしまった。

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後編は明日の朝投稿しますね。
リクエスト受け付けております。