前回、このテーマで初投稿したのだが、

とても長くなり、反省…悲しい


第2回は、もはやネタにすらならないような、

どうでもいい話題はないか…と

思案した結果、本当にどうでも良くて、単なるドジな話を思い出した。


北海道出身の人は、

刺激はないし、物足りないが

総じて穏やかでいい人が多い。

いい人、とは都合の良い言葉だ。


北海道会、というものがあった。

職場の先輩Kさんが、何かで知り合った北海道出身の人々で集う会だ。


私には、縁もゆかりも無い会だが

先輩Kさんはよく私を

こうした男子が集まる集いに誘ってくれた。


『Aちゃんさ、この男子たちは、

恋愛にはならないタイプだけど、本当にいい人たちだからさ』


と。

その誘い方が笑ってしまう。


要は、容姿は宜しくないが、性格は良いよ、

ということなのである。


その北海道会には数回参加させてもらった。

事前の情報どおり、みんないい人たちだった。


その中の一人が『紫蘇ジュースを毎年作っている』という。

紫蘇の葉を煮出して作る、サッパリしたジュースで

いつだったか会に持ってきてくれ、

その美味しさに私は感動にした。


レシピまで書いてもらったが、

その紙はどこかへいってしまった。


『そんなに紫蘇ジュースが気にいってくれたなら、今度また持ってくるよ!』


と言われて、夕ご飯を食べに行くことになった。


渋谷のどこかのお店だった。


美味しくいただいて、さてお会計。


Fが、お会計している後ろを通り

先に外に出ようとした瞬間、、、


ドッ、ボデッ、、、


一瞬、何が起きたか分からなかったが

私は、派手に転んでいた。


これほど派手に転んだのは、

おばあちゃんちの庭で転んだ中学生以来だ。


お店と外との間に、迷惑な段差があったのだった。

それに全く気づかなかった。


その時はとても痛かったが、この痛みに

私はずいぶんと慣れている。


その証が、両ひざに幾つもあるミミズ腫れだ(笑)


それに、カッコいい彼氏の前だったら

恥ずかしかったが

どうでもいいお友だちの前だったから、なんてことはない。

(しかも会計中で、Fはその瞬間を見ていない)


血も出ていないから

きっと内出血程度で済むだろう。


二人で歩いて渋谷駅へと向かう。


横断歩道を渡っていると

私はなんというか冷たいような温かいような

違和感を感じた。


流血していた。


渋谷のスクランブル交差点で

左膝から血を流しているワンピースの女だガーン


皆さんは、ストッキングを履きながら

流血した経験はあるだろうか?


ストッキングの上から血を抑えることはできない。


良質なストッキングなら、尚更だ。

網目が細かいので、ティッシュでうまく拭けない。


流血の勢いがよかったので

とりあえずバンドエードを

ストッキングの上から貼った。


気の優しいFは、隣でオタオタしている。


私はとにもかくにも

早くお手洗いへと駆け込みたかった。


その後のことはあまり覚えていないが、

さっさと分かれて、

お手洗いで処置したと思う。



その夜、Fからのライン。


『今日はありがとうございました。

うまくフォローできなくて、すみません』


いやいや、あなたは何も悪くないです。


ラインの優しい言葉が

私のドジさと哀れさを一層

引き立てていて、一人笑えた。


紫蘇ジュースより濃い紅色が

ストッキングに染み付いた、夏の日の出来事だった。