一発目更新は映画『大奥』の感想。

原作はよしながふみ先生。


よしながさんの原作は遠い昔友達に借りました。

だから曖昧。

でも彼女の描く作品は好きで

感情の機微や表情の素晴らしさは

『西洋骨董洋菓子店』や『愛すべき娘達』

BLに至っては『ジェラールとジャック』などで少しは

知ってるつもり。(私がBLの世界に足を踏み入れたのは彼女の作品がきっかけ)


だからこそ、2時間でまとめるのは大変だったのではないかなぁと

わかりますが!!

色々と納得行かないところはあるわけで…。


てなわけで早速ネタバレ。












多分、感動させたいところは

お信(堀北真希)と水野(二宮和也)の再会に

涙を誘いたかったのだろうけれど

あまりにお信のフューチャーがされていないので

音楽だけが盛り上がって置いてけぼり状態に。

彼女がどれだけ水野を慕っていたのか

Wikiによるとお信は水野が大奥に上がった後も来た縁談を

断り続けていたとか。

彼女にもう少しスポットを当てても良かったかも。


全体的にダイジェストのようで…。

お話がさくさく進んでいく感が否めなかった。

登場人物が多いせいか一人一人の心理描写が丁寧ではなく

水野が大奥に行くことを決意したことすらうっすらとしたものに。

貧乏な旗本ってのが理由なのですが

そうはいってもご飯はたらふく食べれていて衣服も言うほど貧しくない。

視覚的に訴えるものが少なかったのであそこは甚だ疑問でした。


鶴岡(大倉忠義)の一件に至っても

彼の自害があまりにもサラッと流れていってしまって

彼自身の苦悩をあまり感じることができなかった。

恐らく松島(玉木宏)に捨てられたこと、そこにたどり着くまでに

どれほどの苦労があったのかという思いがあったのだろうと

思いますが……。

よしながさんは人の感情を文字で伝えるよりキャラの表情や間で

伝える方なので原作ももしかしたら文字的にはあっさりしていたのかなぁ

とも思いましたが…。

カットならカットで純粋な原作ファンに怒られるのでしょうが

そんなに雑な扱いになってしまうのならなくてもよかったのではないかぁと…。


全体的にあっさりしているわりには

同姓愛描写はしつこいほどにあったかも…。

松島と鶴岡、水野の強姦未遂、水野の取り巻き

垣添(中村蒼)と水野のキス、藤波(佐々木蔵之介)と松島

まぁ正直あたしは大丈夫なのですが…←

他の内容のわりにそこだけはちゃんと描かれていて…。

正直そんなに尺を裂かなくても杉下(阿部サダヲ)もきちんと

ここ(大奥)はそういうところと説明しているので最初の2つ程度で

良かったのかもとか思ったり…。


ただ、音楽やCG、出演者様の演技は素晴らしかった。

ニノはやっぱり『硫黄島からの手紙』で一皮剥けた気がする。

前述したとおり原作者よしながふみさんは人の感情の移り変わりを

表情で表現することが多いので芸達者な方が多いからこそ

もう少しアップで顔の演技に注意を向けても良かったかも。

引きの画が多いような気がしました。舞台を映したいってのも

あったのかもしれないけれど。



映画館で観るべきか!?

と問われると必ずしもYesとは言いがたい今回の作品。

初日満足度は1位になるというすごい映画らしいけれど

あたしはそうは思えませんでした。

盛り上がるべきところがどこなのか分からなかったし

個々のキャラクタが活きてなかったし。

あくまで個人的感想ですが…^^;

ただ、原作がすんごく気になったのは確かです。


借りたんだけどなぁ…恐ろしいほどに記憶がない。

買ってみようかな…。