山の日のとき。 | 日本画家 榊山敬代 オフィシャルブログ 人生こんなもん。Powered by Ameba

山の日のとき。

⛰🖌…
週末8月8日は山の日

ということで

2017年のオーダー作品にて

愛媛の山々と海をモチーフにした
作品をふとおもいだしましたので

今回は山の部分を切り取りまして
記録をしておきたいとおもいます

……… ……… ……… ……… ……… ………





オーダー作品の記録

制作年:2017年

作品サイズ:F10号

素材:雲肌麻紙 水干絵具 岩絵具 金泥

作品解説:

2017年は夏のことです…

愛媛から美容師を目指して
東京で活躍されております

美容師様より実家の新築祝いに
絵を記念に贈りたいとのことで

以前に担当してくださった
美容師さまのご紹介により

ご依頼くださった方から
家族へ贈る記念の作品を

描かせていただくご縁をいただきました

とても家族想いの優しいお方で
色々とお話を伺っていましたら

そうだ

愛媛に行ったら観えてくる
世界があるかもしれない…

そのような心境へ誘われまして

ご依頼くださった方の故郷は愛媛へ
取材するべく人生初めて訪ねてみる
という愛媛への旅が始まるのでした

お父さまは漁師さんとのことで
日々働くお父さまの眼差しへと

心を寄せたくなりまして
フェリーで訪ねるルート
を選択してみたのでした

やがて

愛媛の大地が見えはじめる頃
早速フェリーの外へ身を置き

初めてご対面する
海原と山々の景色を眺めていましたら

ふと

心染み入るあたたかな気配に
涙がこみあげてきたのでした

そのこみあげる気配へ
心を寄せてみましたら

おおらかに迎えてくださる山々は
お父さまお母さまおじいちゃんや
おばあちゃんそして兄弟のように

まるで愛媛の山々は

ご依頼くださった方の
家族そのものに映って

言葉にならない暖かくて清らかな
情景へ不思議と包まれるのでした

そして気がつけば
ご依頼くださった 
方の心模様になり

愛媛から上京される節目に
僕がんばってくるからね!

という 眩しい希望も
山は観ていたように
蒼く透き通る情熱を 

山はわたしの心へそっと
ささやくようなのでした

そのような気配に包まれたとき
迷わずこの景色を舞台にしよう
と作品の物語が始まるのでした

山のそれぞれは真ん中にお父さま
右手はお母さまへとつづきまして

犬のジョン君の山も右下に記しました
(今回の画像は比率により観えません…)

家族お一人お一人が好きなモノコトを
語っていただいた背景も山のカタチへ

たくさんたくさん詰め込んで…

故郷の風景のようで家族の肖像画
という構想へと象られるのでした

そのような家族の肖像画とは

説明しなくてもお姉ちゃん
これが好きだよね〜という
家族しかわからない世界に

私もコッソリ携わらせていただきましたが
時おり家族の暖かさにふれると涙が溢れて
しまいながらもしあわせな制作時間でした

そして

創造力の源とは愛情でありたいと
あらためて感じるひとコマでした

🙏



この作品をご本人にお見せしました時

その場に居た方々が泣き出すので
こちらもつられて泣いてしまい
心がふるえるひとコマでした

絵を通して繋がれるあたたかな時間へ
あらためて感謝のキモチに包まれるのでした

この作品は
新居の玄関へ飾ってくださっているとのこと

後日作品と家族写真も
拝見させていただいて

絵を描いていて本当によかったと
心から幸せをいただくのでした



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