横山大観と画のとき。 | 日本画家 榊山敬代 オフィシャルブログ 人生こんなもん。Powered by Ameba

横山大観と画のとき。


ムシムシときどき清々しく

今年の五月の空模様は 

7月の気候へと早送りされましたり
4月の気候へ巻き戻されましたりと

いまは何月でしたっけ…と
季節なカレンダーを確認しながらのこの頃です

そのようなあいまいな季節のなかで
今月は 行きたかった美術館の展示へ
行きそびれてしまいましたり
最終日間近となって ギリギリ行けましたりと
美術館なカレンダーもあやふやになりがちで
なかなか確認できていないこの頃です、、

そのような近頃のなか
週末と月末なきょうは

明日で会期が終了致します展覧会
千代田区北の丸公園内にあります
東京国立近代美術館にて開催中の
日本画家横山大観展のひとコマを
つづっておこうかなとおもいます


この度の横山大観展では
生誕150周年の節目とのことで90点を展観する
生誕記念大回顧展としましては10年ぶりにて
代表作を網羅した大観展となっておりました

そのようなわけで
会場は予想以上に大変混雑しておりまして
前後と二列での鑑賞スタイルにて
特に水墨画の集大成なる日本一長い画巻作品
『生々流転』重要文化財では前例で鑑賞するためには20分前後待ちと
まるでディズニーランドのアトラクションを
並ぶかのような会場風景なのでした

今回わたしは時間に限りもあり 仕方なくも
二列目からの鑑賞スタイルにいたしましたが
代表作といわれる作品ばかりでしたので
見ごたえ満載な作品に熱気も満開な会場でした

代表作のオンパレードということで
あらゆる技法などの見どころはたくさんありましたし
100年ぶりに発見されました新出作品も
多くの方々が興味を抱かれていたこととおもいますが

きょうは 人生こんなもん。ブログな眼差しから
大観さんの画家人生を見つめてみたひとコマを
つづっておこうかなぁとおもいます。。

大観さんは 昨年頃から
なんとなく気になっておりまして
いろいろと調べていたこともありましてか
今回の展示では 今までのなかで ひときわ
作品との時空を身近に眺めることができました

作品の感じ方とは おもしろいもので
同じサイズの作品を眺めていましても

作品が…なんだか大きくて遠くにかんじるなぁ…という時と
作品が…なんだか視野におさまるように
近くにかんじるなぁ…という時 があるのですが

わたしにとって近くに感じる時の作品とは
きっと今の自分の心境にご縁がある存在なのかな…と 見つめてみるようにしています

この感覚とは 作品ではなくとも
たとえば日頃の日常のなかでも
なんとなく視野に入る…なんとなく気になる
人や物事 を受信する時の感覚に近いでしょうか…

このような眼差しから
作品と向き合ってみますのも 
絵を通して今の自分をも見つめているようで
まるで心はスーッと 座されてゆくようです

大観さんは 
今回の展覧会の見出しにもありますが

画は人なり。 

人間ができてはじめて絵ができる。という
人間力 なる心得を大切にされていたお方でした

そのような心得とは ふと
日本の心らしさを憶いださせてくださるような…
そして 未来の人類までと 
変わらぬ精神が灯っているようで 好きな言葉です

けれどもここで心得ておきたい画とは
画そのものが 無言でも人を語っているような
オーラを放つ画のとき とでもいいましょうか

極めたお方の言葉とは
シンプルで優しく映りますかたわらに
わかりやすいが故の厳しさもにじみでているかもしれません

また 大観さんは絵に対する未来を
まぶしく信じていたようなひとコマもありました
 
それは たとえば 
絵の表現を非難され 価値もつかない作品を 
制作されていた時代でありましても
家の近くの海で 魚を釣って食をつないでいたこともあったそうですが

おのれが貧しければ そこに描く富士も貧しい。

…と このような言葉を語れる大観さんは
生活は貧しくとも 心まで貧しくならない
真の豊かさを知っているお方だったようにかんじます …

ところで大観さんは
日本酒をほぼ毎日と いただいていたことは
有名なひとコマですが

陽が暮れますと絵筆を置いて
夕方からは 愛犬の散歩へでかけたり
夜は日本酒をメインに少しの野菜をつまむような食生活と制作スタイルだったようです

現代のように 夜更かししてまで絵は描かずに 
太陽のリズムで制作されていたスタイルは 
とてもうらやましく見習いたい姿勢です、、

大観さんは もともとお酒が飲める体質ではなかったそうですが
日本酒をたしなむようになりましたのは
恩師にあたります 岡倉天心さんからの影響とのこと

最初はお湯で薄めて口にしていたこともあるそうで
絵と師匠のために日本酒を極める姿勢も
なんだかいいねと 微笑みに誘われるひとコマです

ちなみにわたくしでしたら
喜んで日本酒をいただける体質なのですが
ここ最近では 大観さんとは逆に 
絵のためにお酒から離れてゆく食スタイルに変えてみてますところ…
日本酒さんとはご無沙汰しておりますから
大観さんの作品を眺めていましたら
久しぶりに日本酒でカンパイしたい気分になるのでした… 

はて、はなしは 絵にもどしまして、、

今回の展示では
大観さんが還暦を過ぎたあたりからの作風へ
言葉にならないうなずきが湧いてきて興味深いのでした

そのうなずきたくなる心とは
最近 絵を描いているとフツフツと湧いてくる眼差しと…ふと 重なる感覚になるのでした

その眼差しとは
おのれの絵を観て観て筆を運ぶべし…
そのようなテンポがわたしの内から響いてくるのでした

そして 自らの色を見つめて
内から映し出される迷いなきカタチを
無邪気に追いかけている大観さんの作品は
自らを信じる息吹が今も呼吸しているようなのでした

大観さんのひとコマはまだまだ沢山ありまして
きょうのブログではつづりきれませんでしたが
またブログの節々へ記してゆけたらとおもいます…

最後に 今回の展示の見出しとなっています
画は人なり。においてですが

この言葉とは〈画〉の部分を
自らが極めてみたい眼差しへ置き換えて
みつめてみるのも 新鮮かもしれないなぁとおもいまして


みなさまは どのようなひとコマが
浮かんできますでしょうか…

今回の横山大観展は
明日 日曜日までの会期ですが
6月からは京都国立近代美術館へと
巡回されるそうなので 今回見逃された方は
京都へぷらりと大観さんへ会いにゆくのも
ステキな美術館めぐりとなりそうです…

生誕150年 横山大観展
東京国立近代美術館


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