高麗仏画と向き合うとき。 | 日本画家 榊山敬代 オフィシャルブログ 人生こんなもん。Powered by Ameba

高麗仏画と向き合うとき。


…高麗仏画

高麗仏画…

。…と街で時おりふと
目が合うポスターにて

高麗仏画の世界が気になりました先週は

根津美術館へ。。

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仏画は仏画でも

日本の仏教絵画とは
趣の異なる高麗仏画

この度

根津美術館での特別展として
東京では初開催とのこと…

先週の金曜日では

担当学芸員さんによるスライドレクチャーが
美術館の講堂で講演されていましたので
40分程でしょうか…
高麗仏画のひとコマをのぞいてまいりました。。

今回のレクチャーのテーマは
高麗仏画の色とかたち

一目見たとき

これは高麗仏画かな…と
見分けられる特徴は興味深く
そのひとコマを簡単ではありますが
つづっておきたいとおもいます。。

…高麗は

朝鮮半島を統一した最初の王朝とされ
34代による王朝がつづきました

国家統治の支柱は仏教と定められ
高麗国は周辺の国との交流や戦により
仏教文化のひとコマをはぐくむべく
高麗仏画を構築されていったといわれています

現時点で残されている 
高麗仏画は165作品とのこと

そのなかにて今回の展示は
阿弥陀如来像…水月観音像…地蔵菩薩像
金銀の煌びやかな写経や仏具の世界
などにわかれて

主に11世紀~14世紀の
高麗仏画の名品たちに

出会える展示となっておりました。。


さて

一番わかりやすいなぁ
とおもいました図では

来迎図のひとコマです

来迎図とは…

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日本の代表的な来迎図は

阿弥陀二十五菩薩来迎図
(あみだにじゅうごぼさつらいごうず) (早来迎〈はやらいごう〉)

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純白な雲が天から降りてくる躍動感は
あの世からお迎えにいらっしゃる気配が
幻想的に描かれています

さて

高麗仏画では   

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「阿弥陀三尊像」
見にくいですが…雰囲気までに。。

阿弥陀三尊像は
来迎図のワンシーンですが

ピタリと躍動感は無く
雲に乗ってお迎えにいく気配もなく
左下にうっすらと雲が描かれており

天からお迎えにきてくださる
イメージというよりも
おかえりなさい…と
天でお待ちしているイメージが描かれているようです

…と ここで

日本と高麗での異なりますわかりやすいひとコマは

構図…とのことです

日本は…左から右へ向いた構図
高麗は…右から左へ向いた構図

単純ではありますが
日本と高麗の来迎図を見分けるときの
一番わかりやすい構図は

左を向いているか
右を向いているか

躍動感があるのか
静寂感があるのか
  
このような要素が
見分けるひとコマ

とのことです…

さらに

細やかな特徴的な部分へ
スポットをあててみますと

雲の描き方にも高麗仏画らしい
描き方があるとのこと… 

それは

くるくると渦巻く雲の中心にむけて
雲の中心がポタリと白色でとめるように

雲の中心に斑点が
描かれているのも

高麗仏画の雲の表現として
よく見られる特徴なのだそうです

実物では
顔料の劣化にて少し見にくいのですが
よー…くみてみますと
雲の細部にて くるくるポタリと
描かれているのが うかがえます

このように…雲の描き方など
似た特徴が多く見られる背景には
細やかな模写を繰り返して
伝えられてきたことがうかがえます

今回の展示のなかでも全く同じ構図にて
衣装の装飾だけ異なる仏画もあるように

この時代の作品からは
当時の厳密な眼差しを
垣間見ることができます

今回のレクチャーでは
根津美術館の学芸員さん方が
作品へ対する愛情が感じられて
その空気感は作品たちも
煌々と静かに喜んでいるようでした。。

今回の展示を鑑賞して

あらためて

これからの表現を
見つめていました

それは 

きっとこのようなそもそもの精神が
必要な時代が戻ってくるような

歴史に残された作品とは

人々に対する誠意が示されているようで
つくることの姿勢を戒めてくださいます

…ところで

根津美術館といえば
庭園がたのしみなところ…

すこし

テクテク歩いてみました。。。。

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…今は静けさにつつまれていましたが
にょきにょき…ソワソワ…クスクスと

息吹の気配に背中や耳が
くすぐったい空気からは

春のお便りがうっすらと
はじまっているようでした

春満開の根津美術館も
たのしみに…

また
訪れてみたいとおもいます

会期中に桜も咲きますでしょうか…

高麗仏画展は
3月31日までです

||||| 根津美術館 |||||


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