リアリスティック。 | 日本画家 榊山敬代 オフィシャルブログ 人生こんなもん。Powered by Ameba

リアリスティック。




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わたしの日本画は

主人公となる
モチーフを

写実的に描き込むことが
多いです。

それは
わたし自身

リアルに描き込まれた世界に

時間の魅力を感じるからです。


一見

写実的な表現ならば
写真と変わらないと

おもえてしまう
かたわら。


やはり

一筆
一筆から

リアルに表現された
色彩のカタマリには

喜怒哀楽といった
感情の気配よりも

静寂な時間が
しずかに刻まれている
雰囲気が すきなのかもしれません。

そして

しずかに 刻まれながら
流れている 時間の気配とは

作品という
パネルの奥深くに

チョロチョロ
…サラサラ と

地下水が流れているような
イメージでしょうか…



また

リアルに描くためには

写真と同じような色彩を
置いていけば リアルになる とは
限らないところが

写実的な絵画の
おもしろいところでもあり

色彩のセンスを問われる
ところかもしれません。


本来
写実的な技法は

油絵具やテンペラ
アクリル絵具の方が

適しているのかもしれません。


けれども わたしは
日本画の素材だからこそ

リアルに表現できる
質感や絵肌があるのでは… と

可能性を
ただ 感じながら

日本画絵具に
ながいあいだ
しがみついてきましたが。。

なかなか おもうような世界観が
まだまだ 開拓できていません。。



取り組んでいる作品も

モチーフに忠実に…
描きこんでいますが

プラス

モチーフから
連想するシルエットを
背景へ組み合わせて
構成していくため

モチーフは
写実的でも

架空の背景と
違和感なく 仕上げる作業には

自問自答の
くりかえしです。


脳裏には
こんなふうにみえてるんだけど…

日本画絵具に置き換えると
どの 素材を使いましょう…


…この 素材かな

ぃゃ 失敗…

…では この素材でしょうか

また 失敗…


そのような作業を
ひたすらつづけて

イメージに近い
質感探しの繰り返しです。

油絵やアクリルや水彩ならば

質感まで
そんなに
こだわらなくても
良いのかもしれませんが

わたしの志す
日本画ワールドは

表面的な色合いだけでは
完結させてくれないようです。。



最近

ふとおもうことは


また 生まれ変わった時…


もしも 誕生した時代に

日本画の技法が残っていたなら…


なんだか

それは素敵な日本画が
こしらえられそうな
気がしてくるのです。。


…おそらく

それくらいの

ながいながい
時間を超えても

日本画の素材は

たくさんの可能性を
秘めていることを
感じるばかりです。


今は

これくらいしか
表現できない自分に

もどかしさを感じるばかりですが…


今しか描けない
感性も

たいせつに…


日本画といっしょに

少しずつ進化していけたらなぁ… とおもいます。



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