岩絵具と触れ合う時。 | 日本画家 榊山敬代 オフィシャルブログ 人生こんなもん。Powered by Ameba

岩絵具と触れ合う時。




きょう活躍しております

日本画絵具は



photo:01




天然岩絵具
丁字茶
9番

でございます。


ところで

丁字 って
なんでしょう…

調べてみましたところ


photo:02



… とのコトでした。


日本画絵具は

色の名前が
ステキなトコロが
スキです。

茶色は茶色でも
イメージが香る
ネーミングには

想像力が 深まる ひとコマです。


また
9番

と いいますのは

絵具の粒子の番号をいいます。

春の個展の際には
番号順に

岩絵の具の粒子の違いを
ご案内しておりましたが

9番 の粒子のイメージとしましては
サラサラとした
岩塩くらいでしょうか…



photo:03




膠で固着させる前の
状態は画像のように

ツブツブ
ザラザラ

しておりますが

粒子が大きい分
光を反射しますので

和紙へ固着させますと

キラキラ
光ります


わたしの日本画は

この
ツブツブ
キラキラした質感を

視覚の魅力として
いかせたらなぁ と
追求しているのですが

この
岩絵具たち と触れている時間は

飽きるコトが無いので

不思議です。。


あらゆる鉱石が
粉砕されて作られる
岩絵の具を用いる日本画は

砂絵とも
言えるかもしれません…


たとえば。

岩絵の具のついた
筆を水で清める際

色水の下には
しずかに 泥となって
岩絵の具が沈んで居るのですが

その光景をみますと

日本画は
砂状の集合体であることに
ふと 思う瞬間です。

ですから

水彩絵具や
アクリル絵具のように

水場へ
ジャージャー流しますと

粒が蓄積して
あまり よろしくありませんので

わたしの場合は
絵皿に残った 絵具は
ティッシュで拭き取りましてから

水で
絵皿を
清めています。

また
筆をこまめに洗う
ボールの水も

なるべく
絵具達が
下に沈殿 してから

排水口へ…


そのような
水まわりですから

排水口のお掃除は
こまめにこまめに…です。


それにしても
美大生時代は

学校の水場にて
ジャージャー と
洗っている風景は
あたりまえでしたが…

聞くところによりますと

美術の大学設備で
お金がかかるところは
水道関係だとか…

今 学生の方々は
流した後の 先を
気にかけるだけでも

環境にやさしくなるかもしれませんね…


このように
ひと手間

手のかかる
日本画絵具たちですが

準備や後片付けの様子は

お料理をこしらえて
片付けるまでの時間とも
似ているかもしれません…


絵を描く時間は
もちろん 大切ですが

後片付けなども
丁寧に進める時間も

大切のように
おもいます…

たとえば
食器がくすんでいたら

どんなに美味しいお料理も
イマイチなおもてなし へと
変わるように…

絵画は飾る
おもてなし

だとしたら…

制作を囲む時間から
ていねいに刻んでみた時

その空気は
目に見えませんが

ひとつの雰囲気として作品へ注がれて

いっそう
キラキラと

輝いてくれるかもしれません…



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