アートグルー。 | 日本画家 榊山敬代 オフィシャルブログ 人生こんなもん。Powered by Ameba

アートグルー。




ただ今

胡粉 が 乾くのを 待っております。。



今 取り組んでいる 新作ですが

コチラ…


photo:02



膠に変わって 開発されている

日本画絵具の固着材

アートグルー を 使用いたします。



膠と違うところは



photo:01



絵具を用意して

アートグルーを混ぜ合わせましたら

乾いてしまうと 固まりやすいので

手早く 練り合わせます。


photo:03



お餅みたいに

つなぎ合わせましたら


膠の百叩き と いって

練り合わせた絵具を お皿に

ペッタンペッタン と

叩き合わせていく 手順は

アートグルーには ありませんので


なめらかな お団子ができたら


photo:04



水を垂らしまして

手早く スリスリ と

指で ダマが無いよう 溶いていきます。


そして

乾かないうちに

絵筆から 和紙へ塗っていきます…


このように

日本画絵具と固着材を

練り合わせる過程は

膠もアートグルーも 同じ作業ですが

手触りや 質感が すこし 異なりますので

膠に 慣れていますと

はじめは 少し 違和感があるかもしれません。




さて 近ごろでは

新作のお供に

膠は お休みしまして


アートグルーを用いて 挑戦しております。



わたしは 過去の日本画制作のなか。

固着材に関しましては

三千本膠(サンゼンボンニカワ) と
鹿膠 (シカニカワ)を 配合して

制作してきました。


けれども

色々活動しながら 膠と向き合っていくうちに

そして 震災後


固着材に対しての 考え方 や 捉え方が

変わってしまいました。


心境の変化については

また 機会がありましたら つづりたいとおもいます…



先日 ブログにつづり忘れてしまったのですが

本物の鹿膠 を こしらえた という

珍しいお店へ おじゃまさせていただく機会があったのですが

現代では 鹿膠といいましても

ほとんどの原料は 牛 ですので

本物の鹿膠との 出会いは 貴重でした。


そこで 色々と鹿にまつわる背景も

お聞きすることができたのですが


日本画とは

自然界から あらゆる恵をいただいて

そして 命をいただいて 成り立っていることに

あらためて 心は 動くのでした。



それに 比べて

アートグルーとは

原料が植物系ですので

なんとなく 近ごろは

アートグルーの方が カラダに合うようでして

カラダの相性にしたがって

しばらく アートグルーへ 挑戦したいと思っています。


けれども

開発されてから

歴史が浅い アートグルーでは

色々な意見が あるようなのですが


膠という 伝承された技法を受け継ぐ

日本画家さんが多い 今日。


わたしは アートグルーから

この素材だからこそ 表現できる手法も

追求してみたいです。


そのような 視点とは

今後の 自分なりの技法のひとつとして

素材との 巡り合わせ を

大切に向き合ってみたいと おもうからです。


アートグルーに 出会わなければ

膠で 日本画をこしらえることが

あたりまえでした。


けれども

アートグルー を きっかけに

開発に力を入れていらっしゃる方の視点と 直接 巡りあいますと

知らないふりが できない 自分が居るのでした。


なんとか アートグルーさんを いかせないものかなぁ…

と。。。




先日の個展では

すべての作品に アートグルーを用いたのですが

乾燥していた ホテル内のギャラリーでも

盛り上げた 岩絵の具の部分など は

一切 ひび割れすることなく

絵肌に 柔軟性を感じました。


膠でしたら

不可能なマチエールも

アートグルーならば

幅の広い 可能性を感じます。。



わたしは 頑固な性格の持ち主ではありかますが

日本画の素材と向き合う 気質にかぎりましては

柔軟に カメレオンのように

自ら 絵具へ合わせていきたいです。



日本画は 日本画でも。


視点を 少しずらして のぞいてみますと

おもしろそうで

ワクワクいたします…


自らが ワクワクできる視点を

まずは 大切に…


このような視点とは

普段の日常のなかでも

オリジナルを生み出す はじまりとして

忘れないようにしたい 好奇心です。




最後に

アートグルーが手に入る画材屋さんですが

渋谷にあります ウエマツ さん
横浜にあります 絵具屋三吉さん
ネットショップからも 手に入れることができます


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