8.13。 | 日本画家 榊山敬代 オフィシャルブログ 人生こんなもん。Powered by Ameba

8.13。




「さかきやまぁー!刈谷市美術館、観に行こうよ♪」


「さかきやま~!豊田市美術館、観に行こうよ!」


幼稚園

小学校

中学校


とても仲良しでは なかったけれど

何かの展示があれば

美術館へ 一緒に行こうよ! と

満面の笑顔 で 誘ってくれる おともだちが 居ました。


高校生になると

わたしは・名古屋の学校へ 通い始めたので

その子と 接する 機会も 少なくなってしまったのですが


高校の学祭 では・わざわざ 名古屋まで 訪ねに来ては

「さかきやま~*」と・笑顔で 再会 。


とても 心にのこる おともだちなのです。




今日のような・蒸し暑い ある日。

豊田市美術館へ その おともだちと 一緒に 向かうと

熱心に アートを 鑑賞していたことを

おもいだします・・・


チョコレートの作品 を 見るなり

「へ~! コレが、アートなの?!」

現代アートに 興味津々 な ご様子でした。


最後の スペース 。

左に曲がると・ショッキングピンク の

まぶしい 作品 が 飾られていました。


そして・ピンクの真ん中には

キャンバスが 切り裂かれています。


おともだちは・ジッと 見つめて

わたしに・言いました。



「さかきやまが有名になったらさ~、、、

こういう絵、わたしに描いてよ~! 

約束だからね~!絶対ちょーだいよ~!」



ニコニコ ・・・


・・・にこにこ。



未来の希望 へ 光る ひととき・・・



そして。

おともだちと 交わした

笑顔 と 約束 。



じゃぁ、またね~!!



おともだち との おもいでは。

そこで・いったん アルバムを 閉じるのでした。



・・・大学一年生 の お盆休み。


わたしは・慣れない初めての 一人暮らしに 飢えて・・・

日本画の 画材道具 と キャンバス を 用意して

実家へ逃げ込むように 帰省しました。


ある日。

庭で 育てている メダカの壷に浮ぶ

ホテイアオイ に 紫色の花 が 咲いたことに 感動して

夏の作品の 主人公として・制作をはじめました。


黄金 の 泉 に 浮ぶ

緑な ホテイアオイたち 。


泉 の 中 なのか・・・

空 の 中 なのか・・・


ホテイアオイ を 見つめていると

そんな イメージが 湧いてくるのでした。



夕方。

母親は 夕食の買い物へ 外出。

わたしは・家で1人 絵を描いていますと・・・


電話 が 鳴りました。


受話器 からは 同級生の

かなしみの 声 と 涙のしらせ 。



・・・?!


うそでしょ・・・

あの子が 亡くなったの・・・?!


・・・ 。



突然の お別れの知らせに

おもわず・震えるのでした。


美術館へ いつも 誘ってくれた おともだち。

さかきやま~と いつも笑顔で呼んでくれた あの子。


もう・二度と 会えないのでした。


受話器 を 置くと

味わったことの無い・心の 脱力感 で

しばらく 動くことができませんでした。



絵を描いてあげるって
約束したのに・・・



おともだち との 約束 。

それは・未来 への 希望。


アタリマエ に 未来が あると おもっていた

アタリマエ な キモチ 。



命 の はかなさ に

まぶた が 熱くにじむのでした 。




2001年の・お盆休み 。

黄金の世界に 咲く ホテイアオイ を 描きながら・・・


おともだちと 交わした 時間を おもいだす 中 。


気がつけば。

こんな・キモチ に 変化しているのでした・・・



・・・よ~し・・・!

・・・絵を 極めていくからね・・・!

・・・がんばっちゃうよ~・・・!



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・・・今は 亡き。

星に 輝く おともだちへ 心から ささやきながら描いた

心 改まる 作品です 。



今となって・振り返りますと。


今日まで・絵をつづけられているのも

この道を 極めて生きたい と 強く思えるように 成れたのも

おともだち との 出合いと別れ が なければ

意識を高めて 歩むことは できなかった ことでしょう。。。



わたしの・お盆 ・・・


先祖代々への感謝 と 共に

今は星に輝く あの子へ 届きますよう・・・


感謝なキモチ を 送りたいとおもいます 。


ありがとう・・・*




(こちらの作品は・4月の個展でも奥の部屋で 展示しておりましたが・・・
とても・おもいで深い 作品の1枚 なのでした 。)