「ザナドゥ」と「そよ風の誘惑」 | 榊邦彦 OFFICIAL BLOG new

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けれど一方で、言葉や愛がまったく立ち向かうことのできない不安や困難も、
また、存在しないのではないか……僕は、今そう思っている。
『100万分の1の恋人』榊邦彦(新潮社)

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 FM放送を聞いていたら、オリビア・ニュートン・ジョンの「ザナドゥ」が流れた。
 自分の大学時代に流行っていた曲で、懐かしい。

 高校生の頃だろうか、オリビアの「そよ風の誘惑」というLPを買ったことがあった。
「気絶するほど美しい」というキャッチコピーだった。
 
 確かに、「そよ風の誘惑」とか、「I honestly love you」とか、ほんとうに美しい歌声だった。
 気絶できるかどうか、何度も何度も聞いてみたりした。

 高校生の僕は、「なんだか気絶しそうかなあ」と、もう少しのところまで感じたのは覚えている。

 ……と、ここまで書いたら、「そよ風の誘惑」が流れた。

 もう気絶しようとチャレンジするような若さはないけれど、あの頃、一生懸命、自分の部屋で聴きこんでいたことを
思い出して、ほろ苦くなる。