「僕の小規模な生活〈福満しげゆき〉」がなんともいい…… | 榊邦彦 OFFICIAL BLOG new

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けれど一方で、言葉や愛がまったく立ち向かうことのできない不安や困難も、
また、存在しないのではないか……僕は、今そう思っている。
『100万分の1の恋人』榊邦彦(新潮社)

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 週刊モーニングに連載されていた、「僕の小規模な生活」という漫画が一時終了してしまいました。
 来春には再開されるということですが、連載を楽しみにしていただけに、残念です。

 作者の福満しげゆきさんの、エッセイ風マンガ〈一応、フィクションとは銘打っています〉で、毎回4ページ程度なのですが、雑誌編集者とのやりとりや、奥さんとの生活が、なんとも、不思議なニュアンスで、しかし活き活きと描かれていて、思わず何度も読み返してしまいます。

 ストーリー漫画は、一度、ストーリーを知ってしまえば、よほどのことがない限り、何度も読み返そうとは思いませんが、福満さんの漫画は、ストーリーではないところに、魅力がたくさんあるので、何度読んでも飽きないんです。
 ほんとに少ない描写で、人間がよく描けているなあって感じです。

 あと、この漫画が気に入っている理由は、もう一つあります。
 
 実は、この漫画に登場する「妻」が、なんとも我が家の「妻さん」と雰囲気が似ているんです。
 幼児体型のところとか、もともと笑い顔のところとか、背の低さとか、醸し出される雰囲気がなんとも……。

 自分の作品について、相談するのなんかも、我が家に、実は似ている。

 今までは、一人でこっそり「似ている、似ている」と楽しんでいたのですが、今回、中締め最終回ということで、我が家の妻さんにも、はじめて、「僕の小規模な生活」を読ませてみました。
 
「この奥さん、『妻さん』に似ていると思わない」
 と言う僕に、妻さんは、
「うーん、似ているかあ」
 と言いつつ、
「あえて言えば、相方をリードしているところが似ている」
 と偉そうなことを言っていました。