「言葉」に力はあるか | 榊邦彦 OFFICIAL BLOG new

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けれど一方で、言葉や愛がまったく立ち向かうことのできない不安や困難も、
また、存在しないのではないか……僕は、今そう思っている。
『100万分の1の恋人』榊邦彦(新潮社)

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「夜と霧」から始めて、「被爆者と原爆製作者との対話」「黒い雨」「はだしのゲン」「タンクマン(天安門事件)」「枯葉剤」「シンドラーのリスト」「マララ・ユスフザイさんのスピーチ」などなど、文章と映像を素材に、12時間構成の授業をやってみました。

 中二にはちょっと難しいかなと思いつつ始めた授業パッケージでしたが、生徒を甘く見ていました。こちらが打たれるような意見や文章の数々に、改めて若者の力を感じました。
「過去の圧倒的な事実に対して、経験していない自分達がどう関われるのか」
「立場・状況によっては『無知』や『無関心』も、『加害』と同罪なのではないか」
「『言葉』には力があるのか」
そのようなことを、生徒と、言葉で文章で語り合ってみました。

「夜と霧」のラストで語られる、アラン・レネ監督の「廃墟の中に死んだ怪物を見つめる我々は、遠ざかる映像の前で、希望が回復した振りをする。ある国のある時期における特別な話と言い聞かせ、消えやらぬ悲鳴に耳を貸さぬ我々がいる。」という言葉は、聞くたびに自分に刺さってくる言葉です。

 生徒とさほど変わらない年齢のマララ・ユスフザイさんのスビーチの中にある「The pen is mightier than the sword.」の力には、勇気づけられもします。

 今後も、考え続けたいテーマです。