たこ焼きを食べたい。この強烈なる欲望の為に、何故か下北沢に向かう。車で、それも小1時間近く並んで。踏み切り近くの「大阪屋」の前には長蛇の列。しかし欲望に突き動かされた男は怯まず。並ぶ。夕焼けに滲む下北の街並みに佇む榊家。誰かと会う予感。恥ずかしい設定。映画であれば、必ず向こうから歩いてくる。よなー、、、、、
やっぱり来た。本当に来た。「○×さ~ん」と声をかける。F越さんは怪訝な視線で榊家を睨む。暫しの間。またこれが絶妙な芝居と言うか、リアルな反応。「あれ~っ」「たこ焼き、、、です」「ふ~ん、舞台行くの?今から」「いや、たこ焼きだけです。」「ふ~ん、じゃね」
去っていくF越先輩。背中がなんとなく笑っていたような気がする。
○○計画の舞台、友人が舞台に立つ頃、榊家はたこ焼きをほお張りながら劇場の前を通り過ぎ、家路に帰ったのであった。観客としてのF越さん、舞台上の友人俳優、そして僕と三者三様の日曜の過ごし方。日常とはこういう事かと少し発想の源になった一時でした。たこ焼き500円、駐車場代800円。計1300円。後者が高い。