そう!

このタイトルを付けて良いんです(^^)

文化庁芸術祭参加作品❣️

全員の顔で、このチラシを作ります!

皆さん、是非いらして下さい‼️






【高島嘉右衛門列伝4】


http://ticket.corich.jp/apply/179522/000/


高島嘉右衛門列伝4
    〜横濱之龍神〜
  潜龍編+見龍編+乾惕編
     総集編・上
時は幕末。軍配はまさかの薩長に上がり、かの徳川家康が築いた江戸時代が今まさに260年に及ぶ永い歴史の幕を閉じようとしていました。
江戸は三十間堀町で材木問屋を営む二代目遠州屋嘉兵衛は、義兄の借金のために、夷人相手の両替詐欺に手を染めてしまいます。先に同罪で捕らえられた仲間を助けるために自らが出頭。軽い罪で赦されると鷹を括っていた嘉兵衛はまさかの無期懲役となってしまいます。

毎日が死と隣り合わせの獄中生活では、自らが得意とする易経の技を駆使して何とか生き延び、命を繋ぐ日々を送りました。そして6年後、奇跡的に赦免され江戸払いとなった嘉兵衛は、一路思い出の地、この横濱を目指したのです。
横濱に戻った嘉兵衛は、その名を心機一転、高島嘉右衛門と変えて新たな人生を歩み始めました。元来、面倒見が良く、人情に厚かった嘉右衛門の人生は、ここから一気に開花していきます。
運良く太田町に材木問屋「高島屋」の看板を掲げたのは、わずかに7日後のことでした。更には英吉利公使ハリー・パークスとの出会いにより、英吉利公使館を山手に建てる大事業を請け負うことになります。ここでハリーの信頼を得た嘉右衛門に、一気に好機が訪れたのです。天才通訳・横山孫一郎の出会いも相まって、外国人らと多くの関わりを持つことになった嘉右衛門は、易経の技で新時代の更に先を読み、次々と異人館建築に挑み、大金を手にしていきます。振り返れば、父が亡くなった18歳からの20年間は、幸運ではすまぬほどの大金が手に入り、ですが不運ではすまぬほどの大金を失っていたのです。
嘉右衛門が赤子の頃に人相見の大家・水野南北はこう予見していました。
この子は「九天九地」の相だ!天にも上り地にも下る。残念ながら普通の穏やかな人生は決して歩めますまい。しかし、神力を信じ、人力を信じ、尽力すれば、この国さえも動かせるような奇跡を起こせる」と明言していたのです。そのよみは見事に当たっていたのでした。

横濱の地に戻って3年。嘉右衛門には多くの人々との再会や新たな出会いが待っていました。嘉右衛門は寝る間も惜しんで働き続けました。決して仕事は投げ出さず、いや、それどころか誰かが投げ出した仕事でも快く引き受けて必ずやり遂げました。嘉右衛門はいつの間にか、多くの信頼を勝ち得ていたのです。こうして気がつくと今や横濱有数の大実業家となっていたのです。

幕末のつゆと消えた吉田松陰、佐久間象山、久坂玄瑞。そして明治の立役者となった木戸孝允、伊藤博文、勝海舟、西郷隆盛、坂本龍馬。ふと気がつくと嘉右衛門の周りには、時代を動かす人々が続々と集まっていました。

「お前に渡す大金は天に預けてある。心してしっかと受け取るように」

父の遺言の意味がやっとわかりました。大金とは金なんぞではなかった。大金とは、あの幕府を倒すために命を投げ、この国を引っ張って行く人々との繋がり、人脈であったのだ、と。

もう金は決して追うまい。金ばかり追うとろくなことがない。危うくこの命さえも失ってしまうところだった。金は勝手に向こうが選ぶ。良い人には良い金が追いかけてくるものだ。手にしたその金はこれからの日本のためにきっと使おう。貰ったこの命も世の中のために差し出そう、と。

明治維新目前の横濱には、異国の文化や人が溢れていました。新時代の扉は、今この地で高島嘉右衛門と共に開きかけていたのです。