演出してて良く思う事は、スピード感のあるセリフの言い回しが出来る人って少ない。

いや、早口で話してるのと勘違いしてると言った方が良いかな(^^)

セリフが、何言ってるか分からないから「もっとゆっくり言ってみて」と言うと、セリフとセリフの間がやたら長くて、結果喋るスピードは同じなのね。

ゆっくりセリフを言えるか、どうかって呼吸の深さも関係して来るんだけどね。

スピード感のあるセリフの言い方は、言葉はゆっくりだけど、間合いがちゃんと詰まってるから、尺は同じなのね。

でも、「凄いスピードで喋ってる!」って錯覚する。

昔、1ページの長セリフを時計で計った事がある。

1人はゆっくりセリフが言えない奴で、もう1人は俺。


始めに、ソイツのを計って、皆んなにどの位掛かった様に思ったかを聞いてみた。

すると、殆どの人間が「2分30秒くらい」と。

それで、俺も読んで体感を聞いてみると

「2分丁度か、1分50秒くらいですかねぇ?」と、やはり殆どの人間が言っていたのね。

それで、実際に掛かった時間を見てみたら、2分30秒に感じた奴のは1分56秒で、俺の方は2分8秒だった。


これは、俺も驚いたんだけど、早口で何を言ってるか解らない方が実際より長く感じるんだって。


これは、相当重要な事で、自分が思ってるのと、他人が感じる事には大きな差があるのね。

いくら、早口でベラベラ台詞言っても、長く感じるから、丁寧に話した方がスピード感が出るのに気が付いたのは、俺が40になるか、ならないかのサートーマスの初演でしたわ(笑)