あ!


今日は、節分だ❣️


そんな事も、スッカリ忘れてしまう今日この頃。


東京に帰って来て、早速、5月に公演するオペラ【卍】の打ち合わせを新宮由理ちゃんと。


【卍】は、谷崎潤一郎原作で、若尾文子さんや、船越英二さん、岸田今日子さんに川津祐介さん出演で

{A94B528A-E134-4C4B-9512-6F2A98563C9E}

{95A34C95-A9A8-488B-98C5-A1F0C6695F2F}

映画化してる文芸作品なのだけどね。


谷崎潤一郎のって、基本的に変態プレイを文学にしちゃった感有りきなので、理解出来ると「あれ?俺って少しアブノーマルなのかな?」なんて、思ったりするけど、そんな事はありませんので(笑)


昔、俺が30才時。


紀尾井ホールで谷崎の【春琴抄】を、毬谷友子さんと近藤正臣さん、それと俺だけの朗読劇をした事があるのだけど、谷崎文学の素晴らしさに触れたのって、その時が初めて。


実は、その時


演出家が「春琴にイジメられても、ずっと愛し続けるサスケって役はサカちゃんしかいない!是非やってよ!」との話で出演する運びになったのだけど、どうやら、プロデューサー以下、キャストの面々、脚本家の先生までも「え!榊原じゃミスキャストだ!!!藤原竜也みたいな細くて女の子みたいのが来ると思ったのにガッカリだ」と思ったそうで😆


その時、もちろん谷崎潤一郎の作品なんて読んだことも無ければ、興味もなかったので


「なんなんだ?コイツら。人を呼んどいて、その態度は!!!」となり、更には、


顔合わせ、本読みは、もちろんボロボロ(笑)


向こうも、今更、俺を降板させる事も出来ず稽古は続いたんだけど、俺も負けてられないでしょ?


「俺の芝居を見せ付けてやるぜ!!!」とばかりにやったのだけど、空回り(笑)


「あーもーこーなったら、ここの泣きのシーンで勝負を掛けるしかねぇ!!!」と、頑張るも空回り(笑)


でも、明日は本番😱😱😱😱😱


そんな俺。


「あは!もう、どうでも良いや❣️」となってしまった😆


「どうせ、俺には文学なんか縁遠い話だぜ!」ってな感じね。


それで、色んな事考えるのやめてゲネプロしてたら、なんか空気が違うのよ


周りなのか?自分なのか?良く解らないんだけど、なんか違うのさ。


それで、これまで泣きのシーンは無理矢理泣いてる風になってしまって、どうしても臭くて仕方なかった所で、気が付いたら涙が溢れそうになった。


「ヤベェ!!!ここで泣いたら話がおかしくなる!!!」と、堪えながら最後までやったら、脚本家の先生が、ものすごい勢いで俺の所に走って来たのよ。


「あーあ。どうせまた嫌味でも言われるんだろ」


と思ってたら


「榊原さん!!!貴方、何故初めからああいうお芝居なさってくれないよ!!!私、うかつにも自らの本で泣いてしまったじゃないの!!!貴方、とても卑怯よ!!!」と、怒鳴られた。


嬉しいのか、怒ってんのか判らなかったけど、その後の本番では、やはり、俺が出て来た瞬間!


会場の谷崎潤一郎ファンは


「あれ?榊原利彦?ミスキャストじゃね?」と冷ややかな雰囲気。


どうやら、皆んなも藤原竜也くんみたのをイメージしてたらしい。


そんなヒリヒリした空気の中でも、芝居は続く訳ですが、ゲネプロで涙が溢れそうになったシーンで、またも涙が😨


必死に堪えて芝居してたら、会場から啜り泣く声がかなり聞こえて来た。


見ると、半数以上の人がシクシクしてる(笑)


終わった時は、とても大きな拍手を貰えたんだけど、まぁ俺的にはいつもの俺なので、いつも通りにロビーに出てって「あはは(笑)どうよ?面白かったー?」なんて聞いたら


「サカちゃんさ。お願いだから、もう少しあの世界観の余韻に浸らせてよ。お願いだから、もう少しサスケのままでいて」と怒られた(笑)


ゲネプロまで、目も合わせなかった毬谷友子も、本番が終わったら話しかけてくる始末😳


思えば、あの時に色んな事に気が付いたんだよな。


芝居とか、演劇論とか言うより、もっと根底にある何かみたいのに。


今回はオペラだし、もう一応は出来上がってる作品をテコ入れするんで、俺の出演は無いのだけど、あの倫理観を覆す谷崎文学のオペラは、相当な面白さになるので、是非とも観てもらいたいです。


今年の5月の終わりですのでね(^^)


写真は打ち合わせの後に鍋作って、「あたちも一緒に食べる!」とばかりに鰹節を頬張るユリちゃんでした(笑)