俺は芝居の事を常に考えてる
考えてみたら、「これで良し」とした事が、これまで無い。
昔、一度だけ「これは行ける!最高の芝居だ!」って思った事がある
そのドラマのお陰で、一気に売れる事になったのだけど、自分の芝居には、もう次が無かった。
だから、ずっと家で映画を観ては、真似てみたり、外国映画なら字幕を声に出して読んで、それを応用して自分の芝居になるまで練習したり。
他から見れば、日本のドラマや、映画では要求されない様な芝居の練習なんて、ハッキリ言って無意味でしょ?
でも、それをやり続けた。
そこから十数年経って、演出するようになってから、ある種の答えが見つかったのね。
理解力と応用力と、技術力。
言葉にすると、こんな感じだけど、1番は理解力
これが難しい。
例えば、年齢は40歳。
男気のある先輩で、企業の部長役とするでしょ?
男気、先輩、を考えて、何故か?結構な率で高校の先輩みたいな演技を持ってくる(笑)
つまり、精神年齢が18〜22才で止まってる。
だから、いくら説明しても理解出来ないのだから大人の解釈での芝居なんて到底無理。
そうそう
さっき上げた「最高の演技したぜ」ってドラマで、良く出来たのは、恋愛物だし、役が本当に良かったのと、ジェネレーションとして、何も考えずに演れるだけだっただけで、そんなの芝居でも何でもなかったのさ。
現在では、そんな時代のコピーのコピーのコピーのコピーみたいな芝居が、世の中では殆ど。
前に隣に住んでたアメリカンの娘がハリウッドで活躍してるのね。
連ドラの主役したり、相当な売れっ子で、日本に帰って来ると、皆んなでワイワイ飲んだ、食べたりした。
それで話してたら「日本のドラマって、恋愛の事ばかりで内容が薄い」と言われた。
確かに、仕事っぽいのも取って付けた様だし、恋愛のシーンでの印象は、何れも同じだ
言えば、俺もそのレベルで芝居して「最高の演技が出来た」なんて完結しちゃったんだから、次の演技のアイディアなんて出る訳ない。
だから、何に悩んでるかを探すのに、ひたすら映画を観て、それを真似た。
自分で作る様なってから、明確な答えがそこにあるのに、到達しない
前は皆んなに求めてたけど、無駄と解ったので、自分が主役もする様になったが、やはり、満足する事が無い。
多分、自他共に満足出来る様な芝居が作れたら、そこで終わりなのかもしれない。
でも