お愛宕さん

「小さな祭り」1
集落のはずれに小さな小さな祠があります。
その小さな祠を小学生のころ「おわだごさん」と呼んでいました。
みんながそう呼んでいました。
そう呼んでいるように聞こえました。

「小さな祭り」2
現在、地区の役員をやっています。
今日はその小さな小さな祠の神様のお祭りです。
冷たい風が吹く曇り空の中、しきたりに従い竹を旗竿の先に付け旗を立てます。
祠を掃除して周りのしめ縄なども整備します。
この小さな祠の名前は、「愛宕神社」です。
小さい時の「おわだごさん」はどうやら「おあたごさん(お愛宕さん)」が転じて、そう呼ぶよう
になったみたいです。

「小さな祭り」3
何のお祭りか最初良く判りませんでしたので、調べてみました。
総本山は京都の愛宕神社 (阿多古神社)で、本殿に伊弉冉尊、埴山姫神、天熊人命、稚産
霊神、豊受姫命を若宮に雷神、迦遇槌命 破无神を祭り、古くより火伏・防火に霊験のある
神社として有名だそうです。
また、愛宕神社は修験道の道場でもあったことから、愛宕山に集まった修験者によって江
戸時代中頃から愛宕信仰が日本全国に広められ、愛宕の神は火伏せに霊験のある神と
して広く一般に信仰されたようです。そして、日本全国で「愛宕」を社名につける神社は約
1,000社近くになるそうです。
総本山である京都の愛宕神社以外の「愛宕神社」は主祭神を迦遇槌命(カグツチノミコト)
を指すと思われる防火神の火産霊命(ほむすびのみこと) としている所が多く、庶民の防火
信仰に深く結びつき各地に根ざし、今なお多くの信仰を得ているそうです。
そうですよね、木造の家にとって火事は怖いですから、古来から身近な信仰の対象だった
んでしょうね。
以前に消防署の出初式でそれぞれの地域の「愛宕神社」に祈願に行くらしいという話を聞
いたことがあります。
どうやらその信仰の一番末端が、この小さな小さな祠のようです。

「小さな祭り」4
今日はそんな地域の守り神「愛宕神社」の春季例大祭です。
といっても、地区の役員が集まり近くの別な神社の神主に来てもらい、ご祈祷をするだけの
細々とした祭りです。
そして夕方小さな宴を催して終わりです。地区の7~8人の役員以外誰も来ません。
地区に伝わる小さな小さな祠の神社のお祭りなんですが、出来ればずうーっとずうーっと守り
続けて行きたいものですね。
次回に、つづく。
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