このような展覧会を運営する皆様への深い敬意を抱くと同時に,是非僕も実際に鑑賞してみたいと思いました。

 東京に住んでいて何よりも嬉しいのは,美術に触れる機会の多さです。数多くの美術館や画廊が存在し,思い立って外出すれば必ず色々なジャンル・様々な時代の優れた展覧会にお邪魔することが叶います。僕のように美術全般が好きという者は休日のたびにバラエティ豊かな美術鑑賞を行うことが出来「僕は何と幸せなのだろう(ლ˘╰╯˘).。.:*♡」と感じることも稀ではありません。

 それだけに留まっていれば何の問題も無いのですが,僕などは考えが浅はかなものですから「僕の故郷のような地方では,なかなかこうは行かないだろう」などとつい考えてしまいます。僕の故郷は百貨店やグランメゾンもあるそれなりの都会ですから美術館や画廊も勿論存在しますが,その絶対数は東京には全く敵いません。近くの美術館が企画展準備等で休館中には何の展覧会を観ることも叶わず,また近隣で活躍する現役の美術家たちの作品に触れる機会も無い・・・などと勝手に決めて掛かってしまいがちでした。
 しかし最近になって,その思い込みは正しくないことに気付き始めたところです。たしかに僕の故郷の街には本格的な美術館は2つしかありませんが,マイカーで足を伸ばせば近隣の都市に幾つもの美術館が存在します。ギャラリーの絶対数は少ないもののそれでも丁寧に探せば1日や2日では回り切れぬくらいの数が存在します。そもそも百貨店があるのですからそういう場所でも美術鑑賞を行うことが可能ですね。僕は大きな勘違いをしていたようです。何十年も故郷に在住していて本当に何も知らなかったのだなと呆れております。これは僕がそもそも美術に関心を持ち始めたのが東京に居を移した後だったということも一因でしょうが,だからといって大目に見てもらえるような些細な無知ぶりではありませんね(  ´・ω・)

 そして在京の美術家と同様,地元の美術家たちもまた自分たちの作品を発表する場を設けていることを今回改めて思い知らされました。現在,日立市日高町の日高交流センターで日高文化協会による「日高地区美協展」という展覧会が開催中なのですね。同展は2024(令和6)年の今回で40回目で,会員16名による日本画・油絵・水彩画・切り絵・ちぎり絵などが展示されているということです。日立市には日立鉱山(現:ジャパンエナジー)や日立製作所といった世界的大企業の本拠地があった関係で全国津々浦々の人々が集い早いうちから極めて高い文化活動が行われていたと聞いておりますが,こちらの団体もまたそうした中から生まれてきたのでしょうか。
 こうした活動は会員各位のみならず,同じ地元に住む者にとっても極めて重要で有益なものです。優れた美術作品に触れることの重要性は当然ですが,それのみならず自分たちの地元の文化振興に努める人々の存在と具体的な成果に触れることで,我々の郷土に対する誇りを涵養するのに繋がるのですから。そのような極めて有益な展覧会を主催していらしゃる日高文化協会への深い感謝と尊敬の念を覚えているところです。

 こちらの展覧会「日高地区美協展」は2024(令和6)年5月19日までということで,残念ながら僕はお邪魔することは叶いません。しかし日立市や近隣にお住まいの方,また週末のご予定が無く遠出をお考えの方には是非お勧めしたいものですし,かく言う僕もまた今回は無理でも次の展覧会には是非お邪魔させて頂いて郷土の美術家の傑作に接したいと願っております。



結成40年「日高地区美協展」 日高交流センターで17日から(茨城・日立市)