中華の技法を巧みに活用して,初鰹を美味しく頂けそうなお料理ですね(๑˃̵ᴗ˂̵)

 江戸時代には初鰹が非常に好まれたことは有名ですね。「目に青葉山ほととぎす初鰹」などと言う俳句が今に伝わっているほどで,19世紀初頭には初鰹1匹が3両にもなったというお話があります。両というのは現代では万円単位の金額に相当しますから,当時初鰹がどれほど好まれたかがよく判るというものです。しかし現代の人々にとって初鰹がそれほど美味かというと「必ずしもそうではない」と考える人も稀ではありません。秋に獲れる「戻り鰹」に比べて脂の乗りが悪く,サッパリを通りこしてパサパサであまり美味しくないと感じる人も少なくないようです。江戸時代には肉類を別にすると現代の日本料理が既にほぼ確立していましたが,江戸時代には現代よりも濃厚な味が好まれていなかった傾向があるようです。たとえば鮪も当時は成魚より幼魚のほうが好まれていましたが,今の我々が頂くと鮪の幼魚というのは何とも物足りなく感じられてなりません。

 とはいえ,やはり旬のものは頂いておきたいというのが日本人の感覚でしょう。それも美味しく。そんな願いを叶えてくれそうな素敵なレシピを,魚屋三代目(柳田昇)氏が提供して下さっています。こちらの「初ガツオ丼」では脂の不足を補う方法が何とも面白く,皆様にも是非ご紹介させて頂ければと今回取り上げさせて頂きました。
 まず鰹の柵を刺身に引きます。「包丁の刃元(持ち手側)から柵に入れ、切っ先(先端部分)まで手前に一気に引きながら切」ることで角が立って身が潰れないのだとか。これはマスターしたい技法ですね。とはいえ,既に刺身になっている鰹を買ってくればこの点は省略可能です。刺身が出来上がったら醤油・煮切り味醂・下ろし生姜を混ぜた漬けダレを作って刺身を入れてよく和え,冷蔵庫で冷やしておきます。こちらでは10~15分としていますが,寒冷所では味が馴染みにくいのでもっと長くても良いかもしれませんね。そして刺身をヅケにしている間に白髪葱を作り,青唐辛子を細めの輪切りにし,大蒜は芯を除いて薄切りにしておきます。それらが終わったらご飯を皿に盛り,ヅケの鰹と白髪葱・白胡麻を載せておきます。ご飯があまりに熱いと刺身が温まってしまうので,あまり暖かくない方がよろしいでしょうか。それが終わったら小鍋で胡麻油を熱して沸々としてきたら青唐辛子と大蒜を加えて熱が通ったら火を止めてご飯や鰹の載ったお皿に回し掛けて完成です。

 以前にも何度か目にしましたがこれは中華料理の清蒸などの技法で,文字どおり油を掛けることで鰹の脂の不足を補いつつ香りをつけるわけですねφ(・_・”) ということは胡麻油は本当にアツアツにしてから回し掛けすると美味しいでしょう。因みに味の不足に備え,漬けダレは多めに用意して最後に丼の上から掛けると良いようです。
 いつもとは全く違う鰹の丼物,一体どんなお味になるでしょうか。とても美味しそうに感じるので,是非やってみたいと思いました♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪



熱々のにんにく青唐辛子ごま油をジュワッとかける「初ガツオ丼」のレシピと、刺身のキレイな切り方【魚屋三代目】