魚介類の鍋物,良いなぁ(ღˇ◡ˇ*)♡

 寒い季節にお鍋が美味しいというのは,これは日本人なら誰でも感じることでしょう。では外国ではどうなのかなと気になって少し調べたら,寒い季節以外にお鍋を頂く国もあり,またそもそも寒い季節の存在しない国などでもお鍋が賞味されていることを知りました。後者の典型例はタイスキという,タイの鍋物です。タイというのは熱帯にある常夏の国ですね。前者はというと,フランスのブイヤベースというのは現地では夏のお料理です。フランスならば寒い季節もあるのに何故と思っていたら,こちらはマルセイユの漁師料理が発祥なのですね。真夏であっても漁に出て海水にずぶ濡れになると体の芯から冷えてしまうことも珍しくないそうです。そんな漁師さんたちにとって漁から帰って来て焚火を囲みながら浜辺で仲間たちとお鍋を頂くのは生き返る瞬間だったに違い無い・・・と,漁師経験のある知人が話をしてくれました。むしろ酷寒の冬は漁師さんたちもさっさと浜辺から引き揚げて温かい家に帰り着替えてから各家庭でご飯を頂いていたのかもしれませんね。
 もっとも,そういうお話を伺っても「では暑い夏にもお鍋を頂こう」とはなかなかならないのは,これが固定観念というものなのでしょうか。相撲部屋では幕下以下の力士たちが交代でお料理を担当するので,大抵のお相撲さんはお料理上手です。そのため引退後には自らの腕を活かしてちゃんこ鍋屋さんをオープンする元力士も珍しくありませんが,そういう方たちの一番の悩みは「夏にどうやって集客するか」ということなのだとか。もっとも最近はあまり季節を気にしない外国人観光客にお越し頂いて活路を開いたちゃんこ鍋屋さんもあるなどというお話を,僕は何かで聞きました。

 我々もタイ人やフランス人に倣って夏にもお鍋を頂くと,或いは今まで知らなかった美味を感じることも出来るのかもしれません。いや,きっと出来るに違い無い。しかしやはり寒い今の季節にこそお鍋を頂きたくなってしまうのは,これは日本の文化で育った者として当然でしょう。そんなことを思っていたら,今回は「海鮮たっぷり塩鍋」というお鍋のレシピに出会うことが出来ました。昨今,お鍋というとお肉を入れて頂くものが多く,むしろ先述のブイヤベースを頂いた際に「魚介類のお鍋というのも美味しいものだな」などと感じさせられているといった感もありますが,日本人はもともと魚介類を好んで頂いていたのですから,久々に頂く和風の魚介類のお鍋もまた良いものに違いありません。早速,具体的なレシピを見て参りましょう。
 まず貝類のうち,冷凍帆立は自然解凍。アサリは殻つきですから殻と殻を軽く擦り合わせて洗います。それ以外の素材についても豆腐は食べ易い大きさに,ジャガイモは4~5等分に,玉葱は縦に幅5㎜に,韮は長さ4~5㎝に,大蒜は薄切りにと切っていきます。烏賊の胴については歯が立たないと困りますので3~4㎝四方に切った上に外側に格子状に切り込みも入れておきます。そこまで出来たら調理開始。土鍋に水を張り,アサリを入れて中火に掛けます。この際に鍋に張るのは全くの水で,出汁は不要とのこと。アサリの口が開いたら剥き海老・烏賊・大蒜・ジャガイモ・玉葱・豆腐の順に加え煮て鍋に酒・胡麻油・塩・胡椒を加えて味付けし,更に韮を加えて一煮立ちさせたら完成です。一気に愚を全部入れると火が通り過ぎるので,出汁を兼ねたアサリはともかく,それ以外の具材は頂いたら追加の具を加えるというのが良いようです。お鍋を頂いたらシメは雑炊で。こちらは煮汁にご飯を加えて温めて溶き卵適量を流し入れ,塩胡椒で味を調えます。

 これは体も温まる,美味しそうなお鍋ですね。最初はジャガイモと聞いて「?(。・о・。)?」と思ったのですが,きっと魚介類のお出汁を吸って美味しいに違いありません。最後の雑炊ともども,是非寒い日に頂きたくなりますね。そしてもしタイやフランスのお客様にもお越し頂いてこちらを振る舞えば「なるほど,日本人がお鍋を寒い季節に食べたがる理由がよく判った」と言って下さるのではないでしょうか♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪



海鮮たっぷり塩鍋