このようにしてカレーパンを家で作るという発想は全くありませんでした。ただただ脱帽です。

 日本ではカレーには米飯を添えて食べるのが普通です。日本のみならず,これは世界各国でほぼ同じようですね。当のカレーの本場であるインドでは,皆様もよくご存じのナン(発酵パン)やチャパティ(無発酵パン)などのパンを添えてカレーを頂くこともあるのに,不思議なお話です。「何故,世界中で『カレーには米飯』ということになってしまったのか。インドではパンとともにカレーを食べることもあるのに」というのは昔から皆が気にするところのようで,僕はこんなお話を聞いたことがあります。「インドの東側と西側とで気候が全く違い,雨の多い東側では米が,雨の少ない西側では麦が盛んに生産されていたのだとか。当然ながら東側ではご飯を,西側ではパンを添えてカレーを食べていたが,イギリスによるインドの植民地化は東側から行われたので,そのせいでカレーにはお米のご飯を添えて頂く食べ方が世界中に広まったのだ・・・」と。このお話,何やら尤もらしくも聞こえますが,果たして本当なのでしょうか。僕もまだ詳しく確認したことはありません。もし詳しくご存じの方がいらしたら,是非教えてください。

 ところが,世界中でカレーには米飯を添えるのが一般的になっているにも拘らず,そもそもお米の国と言われる日本においては突如として遠い西インドの形質が隔世遺伝したかのようにカレーとパンとを組み合わせた「カレーパン」という食べ物が存在します。この食べ物,他国には全く存在しなかったようです。カレーの発祥地であるインドにはさすがに,小麦粉で皮を作ってカレー味を付けたジャガイモ等を包んで油で揚げたりオーブンで焼いたりした「サモサ」という食べ物がありますが,いわゆるカレーを入れたパンとは違います。Wikipediaの「カレーパン」という項目を読んでも「新宿中村屋で発明された」「江東区の『名花堂』(現『カトレア』)で発明された」「練馬区の『デンマークブロート』で発明された」という3説が紹介されていますが,いずれも東京での発明とする点は共通しています。念の為に英語版のWikipediaの"Curry bread"・及び仏語版Wikipediaの"Pain au curry"という項目も確認しましたが,英語版でも"Curry bread is a popular Japanese food.",仏語版でも"Le pain au curry est un pain japonais populaire."とあり,誰がどこで発明したかは書かれていないものの,やはり「日本の食べ物」ということが明記されています。きっと外国からの影響でではなく,日本国内において自然発生的に先祖返りしてしまったのでしょうね。

 そんなカレーパンというのはパン屋さんに行って購入するものだとばかり思っていましたが,実は家でも作れてしまうのですね。それも比較的簡単に(⋈・◡・)
 こちらでは「一口大に切った食パンを敷いた耐熱皿にレトルトカレー・ピザ用チーズ・パン粉を掛けて焼き,最後に黒胡椒か刻みパセリを振って頂く」という,まことにシンプルなレシピが紹介されています。パンについては「カリッとした食感がお好みならば、食パンはトーストしてから」とありますが,たっぷりの油で焼くか揚げるかするとまさに市販のカレーパンと同じお味になるのではないかと思います。またカレールーについても何もレトルトに限る必要は無く,前日に頂いたカレーライスの余りを使えばより美味しいものを作ることが出来てしまいそうです。またこちらは「たのしいお酒」というページで紹介されているおつまみのレシピですが必ずしもお酒に合わせる必要は無く,これで美味しくお食事を済ませることも充分に可能でしょう(^^♪

 とても良いレシピを知ることが出来ました。まずは練習を兼ねて,レトルトカレーで「カレーパン風グラタン」を試してみたいところです。作り方を覚えたら,カレーライスを頂く際などは敢えて多めにルーを作り,翌日はこちらの方法で自家製カレーパンを味わうことに致しましょう♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪



お手軽カレーパン? 日本酒のおつまみにも!?「カレーパン風グラタン」
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