ゴアというのはインド西海岸に位置する都市です。1510年から1961年までポルトガルの支配を受けた地域ということもあってキリスト教徒も多く,インドでは珍しくも豚肉の消費が盛んであるなどの特徴的な食文化を有していることでも知られています。当地ではポルトガルの影響を受けた「ヴィンダルー」というお酢で豚肉を煮込んだお料理が特に人気だと聞きました。

 ポルトガル料理もインド料理も大好きな僕としては以前からこの「ゴア料理」に興味津々だったのですが,日本ではなかなか見当たりません(・ω・`) 現地で人気という「ヴィンダルー」も一度頂いてみたいとずっと願っていたのですが,インド料理屋さんで「ありますか?(。・о・。)?」と伺っても「無いねぇ(・~・´)」と言う答えが返って来るばかりでした。ポルトガル料理屋さんでも訊いてみましたが「そういうお料理を知ってはいるが,うちでは出してないね」という答えが返って来るばかりです。一体どんなものなのかと興味ばかりが募っておりましたが,今回そのレシピに出会うことが出来ました。

 やはりカレーの一種なのですねφ(..) というよりインド料理にはスパイスを多用した煮込み料理が多く,インドを植民地化したイギリス人がそれをまとめて「カレー」と呼んだのだと聞きました。考えてみれば,ゴアがポルトガルの長い支配下に置かれて食文化にも大きな影響があったとはいってもそこに住む人々の多くはインド人なのですから,ゴア料理が「インド風」なのは当然の話です。
 その一方,このレシピには「本当は酢やスパイスに豚肉を漬けて柔らかくする工程を、酢で煮る時間を多めにすることによって代わりとしている」とありますね。ということは,本来は肉をお酢に漬ける過程があるわけです。そういえば,フィリピンの「アドボ」というのも同様に「肉をお酢に漬けてから煮込む」お料理です。ゴアにはポルトガルから,フィリピンには同じくイベリア半島に位置するスペインから伝わったので,似たようなお料理があるということなのでしょうか。そう言えば,以前に見たドイツのザウアーブラーテンも同じくお肉をお酢に漬けてから煮込んでいましたね。きちんと調べたわけではありませんが,ヨーロッパ各国には元々同じような下拵えをするお料理があって,その「お酢に漬ける」という方法が暑い国において肉の保存性高めることに繋がるのでインドやフィリピンで普及したのではないか・・・そんなことを想像しました。

 いずれにせよ,これだけお酢を使うのですから相当に酸味の強いお料理になるでしょうね。僕は酸っぱいものが好きですが,それがカレー味にマッチするかどうかはレシピを見ていても想像がつきません。この記事に「味は酸味のあるスパイスシチューといった感じ」「とても食欲の進む味」とあるので躊躇せずに試す価値がありそうに思いますが,或いはこれは食欲が衰える暑い夏にこそ相応しいお料理でしょうか。
 先にも申したように僕はポルトガル料理もインド料理も好きなのできっと口に合うだろうとは思いますが,一度は頂いてみて,その後「酸味をどの程度利かすか」を検討する必要が出てくるかもしれませんね。



いま最も流行のお酢入りカレー『ポークビンダルー』の超簡単な作り方
https://sirabee.com/2020/12/18/20162469157/