1月2日夕方、羽田空港C滑走路 RWY34Rで起きたJALエアバスA350-900と海上保安庁のボンバルディアDHC8-Q400の衝突炎上事故で、4日までに分かったことや、新たに疑問に思ったことがあります。海保機がRWY34Rに進入したC5誘導路が写っている写真が見つかりました。事故機と同型のJALエアバスA350-900が着陸しメインギアが接地した直後の写真の右側にC5誘導路(チャーリー・ファイブ タキシーウェイ)が写っています。画面右端の照明灯のポール右側に見える横長のボードに「16L-34R C5」と表示されています。場所はメインの接地帯のすぐ北側だったのですね。ノーズギア(前輪)は浮いた状態ですので、海保機にぶつかった瞬間に壊れたことは合点がいきます。JAL機に着陸許可(クリアートゥランド)が出た交信を、海保機は聞いていなかったのでしょうね。その時、海保機はタワーではなく、グランドコントロールの周波数で交信していたはずですから。海保機は着陸許可を得た飛行機が接近していることを、交信では知らなかったと思われます。ただしタワーとの交信を担当したであろう、副機長が右席にいるのですから、滑走路へ左折する前に右側を確認すれば、着陸機のライトが迫っていることに気付けたと思うのですが…。

 

 

羽田空港の管制塔は日本一高い115.7mあります。A滑走路の南西側の対岸にある川崎市の浮島町公園からでも晴れていれば、その姿をくっきりと見ることが出来ます。事故機と同型のJALのA350-900がRWY34Lにアプローチしています。今回、管制官が海保機のRWY34Rへの進入に気付いたら、JAL機にゴーアラウンドの指示を出して、大事故は回避できたでしょうね。公表された交信記録で一つ抜け落ちていないか気になることがあります。JAL機が最初にタワーにコンタクトしたとき、「コンティニュー・アプローチ」の後に「ウィーハブ・ディパーチャー」と管制官が言ったと記されています。であるならば、JAL機に「クリアー・ト・ゥランド」と言う前に、離陸後の出発機に「コンタクトディパーチャー」と言うのが自然です。そのフレーズを交信記録から省略したのでしょうか?それとも実際は、出発機を滑走路に入れることを断念したのでしょうか?もう一つ、そもそも離陸機が滑走路に入ることが出来る管制用語は二つあります。「進入して待機」の「ラインアップ&ウェイト」か「離陸支障なし」の「クリアード・フォー・テイクオフ」のどちらかを言われないと滑走路に進入してはダメなのですよね。