正規軍と準正規軍・RSF(即応支援部隊)の戦闘で緊迫しているスーダンの首都ハルツームから、退避を希望する在留邦人とその家族45人が航空自衛隊のC-2輸送機でジブチへ退避しました。日本時間の4月24日深夜、岸田総理が発表したもので、スーダン北東部のポートスーダンを日本時間の24日深夜に出発し、自衛隊の拠点があるジブチに25日未明に到着しました。使用機材は川崎C-2輸送機、川崎重工業製の国産中型双発ジェット輸送機です。写真は2019年11月沖縄・瀬長島で撮影しました。那覇空港のRWY36(当時は滑走路1本で運用)にアプローチしています。

 

 

那覇空港のRWY36にファイナルアプローチする航空自衛隊のC-2輸送機です。ノーズギアの下にゆいレール赤嶺駅前の「ホテルグランビュー沖縄」機体の右下奥に小禄駅前の「イオン那覇店」が写っています。画面下には自衛隊の施設があります。この機体の機番は88-1207、今回スーダンからの邦人退避任務を実行したのは機番88-1216でした。スーダンからは、空自機で退避した45人の他、13人がフランスや国際赤十字の協力を得て退避したと発表されています。首都ハルツームで退避を希望していた58人全員が退避を完了できたことに安堵しました。

 

 

2019年11月、上の2枚の写真を撮った翌朝、那覇空港のRWY36から離陸し上昇するC-2輸送機です。エンジンは航空自衛隊のKC-767やJAL・ANAのボーイング767-300ER、退役しましたがJAL・ANA・政府専用機のボーイング747-400と同じ系列の、GE製CF-6-80C2シリーズを2基搭載しています。信頼性のとても高いエンジンです。C-2輸送機は太い胴体を持ち「10(ひとまる)式戦車」を搭載するスペースがありながら、重量オーバーで運ぶことが出来ないと、石破茂 元防衛大臣が話していました。旧マクダネル・ダグラスが開発した4発大型輸送機ボーイングC-17グローブマスターなら可能だということで、確かにC-17はジブチの軍用空港にもたくさん駐機している姿をテレビで見ました。明らかに大型軍用輸送機のベストセラーです。国内の防衛産業を維持するにはコストがかるのですね。C-2輸送機が今回のミッションで活躍できたのは良かったと思います。この写真は「ホテルグランビュー沖縄」の客室から撮影しました。民間の旅客機ではあり得ない短い滑走距離で離陸、上昇しました。