4月29日は祝日「昭和の日」、昭和の時代は「天皇誕生日」でした。今回は昭和に作られた国産輸送機「川崎C-1」と、それをベースに作られた実験機「飛鳥」の写真をご覧いただきましょう。まず、航空自衛隊のC-1輸送機です。県営名古屋空港のRWY34に着陸し、減速滑走中のカットです。エンジンのスラストリバーサを作動させ、主翼のスポイラーも立てています。コックピット後ろの窓、右側に何か見えますが、原版のサイズで見ますと、ブルー地に白い桜が2つ、描かれています。「空将補」の階級章ですので、空将補が搭乗していることを意味しています。エンジンはプラット&ホイットニーのJT8Dシリーズを2基搭載していますが、ボーイング727や737-200、ダグラスDC9と同じ、大きなエンジン音がします。

 

 

航空自衛隊岐阜基地の航空祭名物、所属機の異機種大編隊の先頭を飛ぶC-1の初号機、FTB(フライイング・テスト・ベッド)飛行実験機です。昭和45年(1970年)に初飛行しています。実に51年前です!銀色の機体と、機首に突き出た長い計測プローブが特徴です。

 

 

こちらはC-1輸送機をベースに1機だけ作られた、低騒音STOL(短距離離着陸)実験機「飛鳥」です。航空宇宙技術研究所(現JAXA)が中心となり、ベースとなるC-1輸送機の主メーカー川崎重工などが開発し、昭和60年1985年に初飛行しました。主翼の上にエンジンを4基取り付け、排気を後方に流すことで高い揚力を得る設計になっています。1機だけが作られ、現在「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」に展示されています。写真はリニューアルオープン後の2018年3月に撮影しまいた。

 

 

博物館のリニューアル前は「飛鳥」の機内が見学可能でした。コックピット右席の操縦桿(操縦輪)や計器、左右の席の間にスラストレバーが写りました。操縦桿の中央には「川重」のマーク、スラストレバーには1~4の文字が確認できます。

 

 

コックピットの副操縦士席の後ろには、航空機関士席があります。視認性の良いアナログ計器が整然と並んでいます。

 

 

機内には計測機器などが残されていました。手前にあるのはコンピューターのキーボードとディスプレイだと思われますが、36年前はブラウン管が主流だったのでしょうか?ちなみに機内の写真は2012年1月に撮影しました。