2016年ブログ31 私の思う逆に向いていない人。
2016年ブログ31
私の思う逆に向いていない人。
逆に向いていない人。
(ー1)学者になることがステータスだと思っている人(これは実に多い)。研究目的より出世の道具だと思っている。
独創性の高い仕事は、片手間でできるような仕事ではない。
従って、典型的な真似に走ることになる。
(ー2)たまたま成績が良かったために、自分は頭脳が明晰だと勘違いしている人。
自信過剰が災いして、人に勝つことばかりが目的で負けず嫌いに競争ばかりしている。
しかし、研究は No.1 になることではなく、Only 1 になることであるので、こういう人物は研究の世界では全く話にならない。
(ー3)ち密さに欠け、ずぼらでルーズな人。
研究とは、ち密に論理を組み立てることが必要条件(充分条件ではない)なので、こういう人は頭がよくても全然ダメである。
(ー4)ただ、研究室の雰囲気だけに憧れて、只、一日中、毎日研究室をウロウロしておれば満足で、自分では考えようとしない人。
こういうのをバカと言う。
(ー5)先生の言うことを毎日しっかり聞いて、いっぱい覚えて、充分にお勉強すれば、ノーベル賞ももらえると思っている人。
(ー6)他所の畑が何時も綺麗に見えて、自分の研究は下らないと思う人。
こういう人は何時も流行ばかり追い掛けて、大抵は何時もアブハチ取らずに終わる傾向である
(ー7)何ごとによらず他人任せな人。怠け者。
(ー8)論理的に思考出来ない人。
自分の生活の中から出て来る疑問に対する好奇心の強さが必要である。
何だろう?知りたいと言う好奇心が全てである。
それがない人は向かない。
もし、若者がこの好奇心の持ち主で、この(ー1)から(ー8)までの条件に当てはまらなかったら、まず研究に入っても大丈夫だろう。
それぞれにやっていけると思う。
でも実際には、この(-1)と(-2)が極めて多いですな。
(-3)以下は誰でもすぐ分かりますし排除され易いですけどね。
職業的に研究職は専門職で、画家や作曲家が自分を伸ばす努力をするのと大変に似ている。
ともかく、最初は良い指導者を見つけることである。
野球で言えば、一人で出来る人もいるが、大抵は良いコーチによい時期(最初)に出会った人が伸びているのと同じである。
もちろん良いコーチに出会ったところで、本人の素質と努力が最も大切な決め手で、誰もが長島であり王でありイチローであり松井であることは出来ない。
それぞれに持てる能力の限界まで実力を発揮して自分の世界を作ることである。
野球は4番バッターだけで成り立っているわけではない。
ピッチャーも必要なら一番バッターも守備も必要です。
学問も同じです。
一番自分に向いている領域で自分の長所を生かしながら勝負して行けばよい。
研究とは誰も先人がやらなかった事をやることである。
そのためには先人がやったことを知る必要がある。
そして次に、「人がやらなかったことを考える」ことである。
ここに一つ落とし穴がある。
「人がやらなかったことを考える」
「独創的なことを考える」
とは何か?
科学者を目指す人、あるいは既にこの職にある人、全員がこれを意識して考えている。
要するに皆が「最も独創的」と思うことは、皆が考える「最もごく当たり前の事」になる。
基本的に学者を目指す人は、我こそは頭脳明晰と自負している。
こういう人は小学校ではクラスのトップを切る物凄い優等生である。
中学へ行っても同じで、高校へ行くと少し数が増える。
そして大学へ行くとそう言う秀才ばかりの集まりになる。
小学校で一番の人はそこでは一人だが、大学へ行くと100人中100人がそう言う人ばかりになり、むしろ、小学校ではごくありふれたことしか考えない普通のその他大勢の人達の方が大学の中では遙かに珍しく新鮮な発想の持ち主になったりする。
つまり小学校では独創的に見える秀才の発想は、大学では一番馬鹿げたありふれたアイデアに過ぎなくなりかねない。
俗に言う学者バカである。
如何にも賢そうに「俺しかわからんだろう、俺が思いついたのだ、どうだ凄いだろう」と、偉そうな顔して得意満面に得々とバカみたいな些細な事を学会で話す学者が如何に多いことか、愕然とすることが多い。
No 1とOnly 1の違いなんて、結局は子供の頃から培われた環境上の価値観、人生観、勝ち組の考え方の差なのではないかと思う。
小中高校時代の子供達にとってカッコが良いのは、間違いなくNo 1の方だと思う。
ハスの博士のようなOnly 1は、今の社会の価値観では明らかに負け組の筆頭だろう。
学生のほとんどは目指さない。
前にも増していなくなってしまった。
「ガリ勉」とは、つまり受験勉強に代表される才能であり、世間が見る素晴らしい能力である。
一方、「ゆるキャラバカ」とは、あまり人や流行に影響されず自分の主観に基づいた考え方を出す才能である。
読んで字のごとくです。
日本では前者の能力は非常にもてはやされ誉められ、大いにプライドを満足させる能力でもあり、後者は、その能力を発揮すればするほど、変人バカ無能、協調性のないクズとして、相手にされなくなる能力である。
もっともこれを書いている変人は、後者ではなく、前者の突出した方のことですがね。
受験と教育と職業/Sakaguchi Publisher
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人の脳を考えてみよう —記憶・意識の分子的基礎って何?—/Sakaguchi Publisher
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がん治療法の21世紀型革新: —新しい放射線増感剤 —
新しい高校の生物: ー遺伝子と進化と多様性ー/Sakaguchi Publisher
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技術大国日本を取り戻そう
鉄のない未来
大学のある理系研究室の風景
21世紀の創薬 第1部
21世紀の創薬 第2部
放射線が身体に当たると?
体細胞分裂と減数分裂
博士になろう! -理系のための研究生活ガイド- (B&Tブックス)/日刊工業新聞社
自滅する人類-分子生物学者が警告する100年後の地球- (B&Tブックス)/日刊工業新聞社
バイオ発電/ワック
くり返し聞きたい分子生物学講座/羊土社
私の思う逆に向いていない人。
逆に向いていない人。
(ー1)学者になることがステータスだと思っている人(これは実に多い)。研究目的より出世の道具だと思っている。
独創性の高い仕事は、片手間でできるような仕事ではない。
従って、典型的な真似に走ることになる。
(ー2)たまたま成績が良かったために、自分は頭脳が明晰だと勘違いしている人。
自信過剰が災いして、人に勝つことばかりが目的で負けず嫌いに競争ばかりしている。
しかし、研究は No.1 になることではなく、Only 1 になることであるので、こういう人物は研究の世界では全く話にならない。
(ー3)ち密さに欠け、ずぼらでルーズな人。
研究とは、ち密に論理を組み立てることが必要条件(充分条件ではない)なので、こういう人は頭がよくても全然ダメである。
(ー4)ただ、研究室の雰囲気だけに憧れて、只、一日中、毎日研究室をウロウロしておれば満足で、自分では考えようとしない人。
こういうのをバカと言う。
(ー5)先生の言うことを毎日しっかり聞いて、いっぱい覚えて、充分にお勉強すれば、ノーベル賞ももらえると思っている人。
(ー6)他所の畑が何時も綺麗に見えて、自分の研究は下らないと思う人。
こういう人は何時も流行ばかり追い掛けて、大抵は何時もアブハチ取らずに終わる傾向である
(ー7)何ごとによらず他人任せな人。怠け者。
(ー8)論理的に思考出来ない人。
自分の生活の中から出て来る疑問に対する好奇心の強さが必要である。
何だろう?知りたいと言う好奇心が全てである。
それがない人は向かない。
もし、若者がこの好奇心の持ち主で、この(ー1)から(ー8)までの条件に当てはまらなかったら、まず研究に入っても大丈夫だろう。
それぞれにやっていけると思う。
でも実際には、この(-1)と(-2)が極めて多いですな。
(-3)以下は誰でもすぐ分かりますし排除され易いですけどね。
職業的に研究職は専門職で、画家や作曲家が自分を伸ばす努力をするのと大変に似ている。
ともかく、最初は良い指導者を見つけることである。
野球で言えば、一人で出来る人もいるが、大抵は良いコーチによい時期(最初)に出会った人が伸びているのと同じである。
もちろん良いコーチに出会ったところで、本人の素質と努力が最も大切な決め手で、誰もが長島であり王でありイチローであり松井であることは出来ない。
それぞれに持てる能力の限界まで実力を発揮して自分の世界を作ることである。
野球は4番バッターだけで成り立っているわけではない。
ピッチャーも必要なら一番バッターも守備も必要です。
学問も同じです。
一番自分に向いている領域で自分の長所を生かしながら勝負して行けばよい。
研究とは誰も先人がやらなかった事をやることである。
そのためには先人がやったことを知る必要がある。
そして次に、「人がやらなかったことを考える」ことである。
ここに一つ落とし穴がある。
「人がやらなかったことを考える」
「独創的なことを考える」
とは何か?
科学者を目指す人、あるいは既にこの職にある人、全員がこれを意識して考えている。
要するに皆が「最も独創的」と思うことは、皆が考える「最もごく当たり前の事」になる。
基本的に学者を目指す人は、我こそは頭脳明晰と自負している。
こういう人は小学校ではクラスのトップを切る物凄い優等生である。
中学へ行っても同じで、高校へ行くと少し数が増える。
そして大学へ行くとそう言う秀才ばかりの集まりになる。
小学校で一番の人はそこでは一人だが、大学へ行くと100人中100人がそう言う人ばかりになり、むしろ、小学校ではごくありふれたことしか考えない普通のその他大勢の人達の方が大学の中では遙かに珍しく新鮮な発想の持ち主になったりする。
つまり小学校では独創的に見える秀才の発想は、大学では一番馬鹿げたありふれたアイデアに過ぎなくなりかねない。
俗に言う学者バカである。
如何にも賢そうに「俺しかわからんだろう、俺が思いついたのだ、どうだ凄いだろう」と、偉そうな顔して得意満面に得々とバカみたいな些細な事を学会で話す学者が如何に多いことか、愕然とすることが多い。
No 1とOnly 1の違いなんて、結局は子供の頃から培われた環境上の価値観、人生観、勝ち組の考え方の差なのではないかと思う。
小中高校時代の子供達にとってカッコが良いのは、間違いなくNo 1の方だと思う。
ハスの博士のようなOnly 1は、今の社会の価値観では明らかに負け組の筆頭だろう。
学生のほとんどは目指さない。
前にも増していなくなってしまった。
「ガリ勉」とは、つまり受験勉強に代表される才能であり、世間が見る素晴らしい能力である。
一方、「ゆるキャラバカ」とは、あまり人や流行に影響されず自分の主観に基づいた考え方を出す才能である。
読んで字のごとくです。
日本では前者の能力は非常にもてはやされ誉められ、大いにプライドを満足させる能力でもあり、後者は、その能力を発揮すればするほど、変人バカ無能、協調性のないクズとして、相手にされなくなる能力である。
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