独創性とヘンテコと外国人、そして文学博士と理学博士と医学博士(その2)
2016年ブログ28
独創性とヘンテコと外国人、そして文学博士と理学博士と医学博士(その2)
次のような、これは個人ではなく組織だが、笑うに笑えない話がある。
ABC領域分野の違いから生じた話である。「ゆるキャラバカ」頭脳軽視の極限の話である(「ガリ勉」的にも変な話で、時代錯誤・前例主義頭脳というのかもしれない)。
笑いましょう。
今は改善されて、そういうことを逆に教訓として積極的に完全になくしたことが分かっているので、その大学の名誉のために付記しておくが、これは比較的最近、関東にあるさる著名私立大学であった話である。
その大学は元々理系学部と文系学部を持っていた(念のため申し添えておくが、私の所属する大学ではない)。
そして更なる発展を図るために、人材を生かして理系と文系の両者が混合する学部を創った。
素晴らしいことである。
当然、教授層は理系出身と文系出身の混合になる。
大学院も併設されている。
そして時間と共に大学院進学者も5年経つと学位を申請する時期が来た。
ほとんど全員が理系の研究室だった。
理系としては博士号を授与するに充分な条件を満たして何の問題もない。
最終認定のために学部教授会に出された。
すると文系出身の教授が総立ちで反対した。
博士号なんて60代になって功成り名を遂げてから授与されるモノで、こんな若造に博士号の学位なんてとんでもない!と紛糾したんだそうである。
自分たちも持っていないからである。
博士号を持っていない人が博士号授与の権限をもっているというのも先進国では日本くらいでしょうねえ。
注釈するが、とにかくこれは、この大学も含めて日本の全大学の理系学部、いや全世界の先進国の大学教授会がたまげて呆れる議論である。
ハーバード大学、ケンブリッジ大学、パリ大学、ベルリン大学、モスクワ大学、等々、「日本は未だ中世なのか?」と耳を疑うでしょうな。
恥ずかしくって冗談にも話題に出来ない。
理系では博士号を持たない大学教授は全世界で何処にもあり得ない。
大抵“ドクター何々”と呼ぶでしょう(何々博士の意です)。
世界中それが普通です。
こういうのがまかり通ったら国際基準に見合わず、理系の学問はすべて世界から完全に取り残され、明治時代に逆戻りするでしょうね。
私もかって「文学博士になるのは文学部の大学教授になるより難しい」と、冗談でよく聞いたことがあった。
しかしこれは冗談ではなかったんですね。
私は現在70代だが、理学博士の学位は20代の頃にいただいた。
だいたい、周りの開業しておられる医師のほとんど全員が医学博士ですよね。
“博士”号なんて、大学を出たらもらえる“学士”号、その上の修士課程を出たらもらえる“修士”号と同じく課程修了の称号に過ぎない。
これが如何にバカげた時代錯誤の議論であるかは、他所の大学の教授である私にさえ漏れ伝わって知っていることからもよく分かる。
この業界人から見ると、苦笑を通り越して失笑以外のなにものでもない。
あちこちで物笑いの種として話題になった。
この大学は国際的にも非常に良く知られている有名大学で、学長さん穴があったら入りたかったでしょうね。
何のための大学院課程なのか分からなくなる。
これでは、先に“大学教授になる課程”を創り“それを卒業してから入る博士課程”のコースでも創る以外にない。
その大学の名誉のために付け加えておくが、これを大きな教訓として改善された由。
これはそういう時代の先端を行く改善(理系文系混合学部の設置)を先駆けてやった結果、表面化した話である。
同じことをやれば全国何処の大学でも頻発していた可能性がある。
有名大学ほどその可能性が高い。
あえて先駆けてそうした大学をむしろ褒めるべきだろう。
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技術大国日本を取り戻そう
鉄のない未来
大学のある理系研究室の風景
21世紀の創薬 第1部
21世紀の創薬 第2部
放射線が身体に当たると?
体細胞分裂と減数分裂
博士になろう! -理系のための研究生活ガイド- (B&Tブックス)/日刊工業新聞社
自滅する人類-分子生物学者が警告する100年後の地球- (B&Tブックス)/日刊工業新聞社
バイオ発電/ワック
くり返し聞きたい分子生物学講座/羊土社
独創性とヘンテコと外国人、そして文学博士と理学博士と医学博士(その2)
次のような、これは個人ではなく組織だが、笑うに笑えない話がある。
ABC領域分野の違いから生じた話である。「ゆるキャラバカ」頭脳軽視の極限の話である(「ガリ勉」的にも変な話で、時代錯誤・前例主義頭脳というのかもしれない)。
笑いましょう。
今は改善されて、そういうことを逆に教訓として積極的に完全になくしたことが分かっているので、その大学の名誉のために付記しておくが、これは比較的最近、関東にあるさる著名私立大学であった話である。
その大学は元々理系学部と文系学部を持っていた(念のため申し添えておくが、私の所属する大学ではない)。
そして更なる発展を図るために、人材を生かして理系と文系の両者が混合する学部を創った。
素晴らしいことである。
当然、教授層は理系出身と文系出身の混合になる。
大学院も併設されている。
そして時間と共に大学院進学者も5年経つと学位を申請する時期が来た。
ほとんど全員が理系の研究室だった。
理系としては博士号を授与するに充分な条件を満たして何の問題もない。
最終認定のために学部教授会に出された。
すると文系出身の教授が総立ちで反対した。
博士号なんて60代になって功成り名を遂げてから授与されるモノで、こんな若造に博士号の学位なんてとんでもない!と紛糾したんだそうである。
自分たちも持っていないからである。
博士号を持っていない人が博士号授与の権限をもっているというのも先進国では日本くらいでしょうねえ。
注釈するが、とにかくこれは、この大学も含めて日本の全大学の理系学部、いや全世界の先進国の大学教授会がたまげて呆れる議論である。
ハーバード大学、ケンブリッジ大学、パリ大学、ベルリン大学、モスクワ大学、等々、「日本は未だ中世なのか?」と耳を疑うでしょうな。
恥ずかしくって冗談にも話題に出来ない。
理系では博士号を持たない大学教授は全世界で何処にもあり得ない。
大抵“ドクター何々”と呼ぶでしょう(何々博士の意です)。
世界中それが普通です。
こういうのがまかり通ったら国際基準に見合わず、理系の学問はすべて世界から完全に取り残され、明治時代に逆戻りするでしょうね。
私もかって「文学博士になるのは文学部の大学教授になるより難しい」と、冗談でよく聞いたことがあった。
しかしこれは冗談ではなかったんですね。
私は現在70代だが、理学博士の学位は20代の頃にいただいた。
だいたい、周りの開業しておられる医師のほとんど全員が医学博士ですよね。
“博士”号なんて、大学を出たらもらえる“学士”号、その上の修士課程を出たらもらえる“修士”号と同じく課程修了の称号に過ぎない。
これが如何にバカげた時代錯誤の議論であるかは、他所の大学の教授である私にさえ漏れ伝わって知っていることからもよく分かる。
この業界人から見ると、苦笑を通り越して失笑以外のなにものでもない。
あちこちで物笑いの種として話題になった。
この大学は国際的にも非常に良く知られている有名大学で、学長さん穴があったら入りたかったでしょうね。
何のための大学院課程なのか分からなくなる。
これでは、先に“大学教授になる課程”を創り“それを卒業してから入る博士課程”のコースでも創る以外にない。
その大学の名誉のために付け加えておくが、これを大きな教訓として改善された由。
これはそういう時代の先端を行く改善(理系文系混合学部の設置)を先駆けてやった結果、表面化した話である。
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