2006年に制作された「落下の王国 』4Kデジタルリマスターを鑑賞しました。とても素敵な作品でしたが、実はそれに気づけたのは家に帰って来てからなのです。自力で楽しめなかった“反省”を込めての感想です。
鑑賞理由
まず『落下の王国』というタイトルに惹かれました。そして映像や衣装が美しく独創的らしい。数々の賞を獲ったらしい。DVDも廃盤になっていて何十年ぶりかの貴重な上映らしい。何より家から一番近い、だけど一度しか行ったことのないお洒落なミニシアターでの上映で、“お見逃しなく”感を強く感じ‥観てみたいと思いました。
ストーリーもね。傷ついた青年が少女に語り聞かせるおとぎ話。愛と勇気にあふれた心躍るファンタジーという感じで、なんだかディズニーっぽくて楽しそうって思ったのです。
〈あらすじ〉
舞台は1915年。映画の撮影中に橋から落ちて大怪我を負ったスタントマンのロイは、病室のベッドで絶望の淵にあり、自暴自棄になっていた。そんな彼は、木から落ちて腕を骨折し入院していた5歳の無垢な少女アレクサンドリアと出会う。
ロイは動けない自分の代わりに、アレクサンドリアに薬剤室から自殺用の薬を持ってこさせようと考え、彼女の気を引くために即興の冒険物語を語り始める。それは、愛する者や誇りを失い、深い闇に沈んだ6人の勇者たちが力を合わせて悪に立ち向かう壮大な物語だった。ー映画.com:よりー
途中離脱寸前
しかしこの映画は手強かった。
青年ロイの自殺願望が深く、おとぎ話じゃなかった。絶望と打算がリアルだったです。また、勇者たちが悪に立ち向かう過程で拷問や処刑など残酷なシーンが多く、決してファンタジーではなかったです。
何とか最後まで観れたのはミニシアターの真ん中の座席で踏み切れなかっただけで、本当は中盤あたりで観ているのが辛くなり途中離脱寸前でした。
『落下の王国』の素晴らしさ
離脱寸前だった映画の一体何を語るのかとも思うのですが、家に帰って『落下の王国』の感想が掲載されたサイトを何気なく見ていたらね。さっき見た映画の場面が思い出され、あ〜そうだった、確かにそのとおり‥って何故か素直に共感できたのです。
“パンゴン湾”というところらしいのですが冒頭の紺碧の湖と突き抜けた青い空、そして荒涼な砂漠や豪華な宮殿、庭園。世界中をロケーションした壮大な景色が素晴らしかった。
衣装もまるで大昔にみたサントリーのウイスキーのcm、ランボーやガウディの世界のよう。赤、青、黄色、緑が色鮮やかで自然とのコントラストが美しかった。
あ〜そうだった、本当に夢のように美しい映像だったと記憶が甦りました。
そしてストーリーもね。自殺する薬欲しさのためだけにアレクサンドリアに物語を聞かせていたロイが、少女の無垢な心に触れ、やがて全員殺されて終わりだったはずの物語の結末を再生に変えていく。
間違いなく愛と勇気のあふれる勇者の物語だったし、ロイ自身も再び生きようと思う、確かに魂の救済の物語だった。最初思ったとおりの素敵なファンタジー作品と思うことができました。
仕方がないけれど‥
人の感想を聞いてやっとその素晴らしさに気づくなんて他力本願にもほどがある。私って何が足りないのだろう?って考え気づきました。
不幸や暴力といったマイナスの感情に弱いだと。一度暴力や処刑シーンを見てしまうと、また同じようなシーンがでてくるのではと身構えてビクビクしてしまい、それ以外のことに目を向けられなくなってしまうようです。今回も端っこの席に座っていたら多分途中で退席してたと思います。
もちろん無理に最後まで観る必要はないのだけれど、ちょっと損している。多くの観客と同じように、『落下の王国』の素晴らしさを映画館で直に感じられなかったのは残念だった。反省を込めた感想です。











