数年前、社員旅行で日本で常におもてなしでトップを走っているホテルに泊まることがあった。
そのホテルはI県にあり、母と祖母はI県にいたので昔から夏休みなど長期の休みはそこで過ごしていた。
叔父と電話で話した際、「昔からこの県には縁があるから泊まったのかな?」とつぶやくと、次の話を教えてくれた。
「その縁は違う縁で実はお母さん(私の母)が小学生の時そのホテルの会長さんと好き同士だったんだよ。」
そうか、人の話と思ってあまり真剣に聞いていなかったけれど、母は生前に良く同窓会の話をしていた。
もちろん、小学生の好きレベルの話だから、大した意味はないかもしれない。
叔父は、身分違いで別れさせられた、とも言っていた。母も叔父2人も戦後満州から逃げ戻った日本人だったから、親せきで肩身の狭い幼少期を過ごしていたとは聞いていた。
お下げ髪の小学生の母が淡い恋をしていたと思うと切ない。
叔父は何かの用事で新幹線に乗った時その会長さんに久々に会った話もしていた。
母には自慢の同級生だったに違いない。