▶︎ 第1話
はじまりは、服部先生の書道部です。
愛媛県立三島高等学校 書道部OBの私。
今から約25年前のことです。
当時は、まだ「書道パフォーマンス」という言葉はありませんでした。
私が書道部へ入部したのは、服部先生の熱いエネルギーに心を動かされたからです。
放課後になると、半紙を広げ、何度も何度も臨書を繰り返しました。
納得できる一文字を書くために、来る日も来る日も遅くまで練習しました。
小さい頃から書道教室に通っていた私は、
墨を擦る時間も、筆を持つ感触も大好きでした。
静かな教室に広がる墨の香り。
半紙に筆を下ろす瞬間の緊張感。
一文字に集中していると、時間はあっという間に過ぎていきました。
高校生だった私には、もう一つ夢がありました。
それは、和食の料理人になることです。
いつか、自分の店のお品書きを、自分の字で書ける料理人になりたい。
そんな思いも、書道部を続ける大きな理由でした。
そして私は、その夢をかなえ、料理人になりました。
毎日、包丁を握り、お客様のために料理を作っています。
それでも、心のどこかには、
今もあの頃の書道部員の自分がいます。
書道部で過ごした時間、仲間、先生との出会いは、今でも私の大切な宝物です。
だから、ずっと考えていました。
「あの頃の書道部へ、料理人になった自分だからこそ届けられるものはないだろうか。」
その答えを探し続けて生まれたのが、「おすみつっきー」です。
これは、お菓子を作る物語ではありません。
書道とともに歩んだ一人の料理人が、すべての書道部へ贈るエールです!
