金融庁がバイナンスに警告
3月23日、日経新聞は金融庁が香港の仮想通貨取引所バイナンスに対し無登録のまま営業を行っているとして警告を出す方針があると報じた。これについてバイナンスCEOは全くの事実無根であると否定したものの、この騒動は投資家の不安を煽り仮想通貨市場下落の一因となった。
日本国内でも多くの利用者を抱えるバイナンスの今後の行方や海外取引所の日本での展開について見通しを話していきたい。
日本では2017年9月より施行された改正資金決済法に基づき仮想通貨取引所などの仮想通貨と法定通貨(日本円など)を交換するサービス、また仮想通貨同士を交換するサービスを営業する場合は「仮想通貨交換事業者登録」という金融庁の定める登録を行う必要がある。
仮想通貨交換事業者登録には資本金の額や運営体制・セキュリティ体制が要件に当てはまっているか、また取り扱う仮想通貨が投資家保護の観点から適切なものであるかといったの審査項目をクリアしなくてはいけない。
現在仮想通貨交換事業者は16社が登録されており、登録仮想通貨は19種類となっており、日本で人気のバイナンスなど海外取引所は取り扱う仮想通貨数が多い事などから日本で仮想通貨交換事業者登録を受けるのは容易ではなく警告があってからすぐに登録できるとは考えづらいだろう。
また、日本では仮想通貨交換事業者に登録されてはいないものの事業を継続してもよいという準登録のような「みなし業者」と呼ばれる制度があるがそのみなし業者であったcoincheck(コインチェック)が仮想通貨NEM流出事件を起こしてしまった事もあり制度の見直しが議論されたり、監視が強まっている事もありさらに海外事業者の登録を困難なものとしている。
海外取引所の日本展開は?
現在は警告の有無にかかわらず日本から取引所のサービスを利用する事は可能ではあるものの「営業をやめなければ、警察当局などと連携して刑事告発する」とも報道されていることから海外取引所が日本からのアクセスを制限する等の自主規制を行う可能性があり、そうなれば日本からは取引所を利用する事ができなるなる可能性もあるだろう。
今回は海外取引所としてバイナンスが名指しで警告を受けたのは、日本の投資家が多く利用しており、日本に支社を置いていることが大きな要因となっていそうだ。つまり、単純に日本人も使える状態になっているということだけでは規制の対象には現状ならない可能性は高い。実際に警告が出されたとしても、ネットに関する問題が国家間での警察当局連携が難しいことや調査等ですぐに利用できなくなるとは考えにく、その間に他の取引所やウォレットに避難させておけば問題ない。
しかし、このバイナンス規制は他の海外取引所が日本展開をする大きな妨げになってしまうことは避けられないだろう。
仮想通貨業界にクリーンなイメージを!
3月末のG20では仮想通貨について、特にマネーロンダリング対策や取引所の登録制度の国際的なルールが作成されるという話もあったが結局具体的な枠組みは作成されることなく幕を閉じた。現状国ごとの規制に一任する状態となっている。海外の仮想通貨サービスは多く存在するが、その中にはテロの資金とされるものもあり日本からの利用者が被害にあってしまう事でさらに仮想通貨は危険なものだという印象を与えかねない。そのことが多くの人々の中に刻み込まれれば、仮想通貨が一般的に普及することが困難となり、価値を損なってしまうことも考えられるだろう。
日本が独自に海外取引所を規制することは仮想通貨の国際性を減じるかもしれないが、仮想通貨に対しネガティブなイメージが付かないうちにその要因を封じてしまうことも必要になってくるのかもしれない。