Facebookで起きた「アタリショック」現象
ゲーム産業は今、事業構造の急激な変化に見舞われている。その最大の要因は「フリー(無料)」を前提としたビジネスモデルの台頭にある。米Facebookに代表されるSNSを通じて配信される無料ゲームが急成長し、従来型の パッケージ販売モデルを揺るがしはじめた。今回のイベント参加企業もそうした新興勢力なのだが、急成長を続けてきたはずのFacebook市場に変調の兆しが出ているという。
世界で3億人のユニークユーザーを抱えるFacebookは、プラットフォームをオープン化する戦略をいち早く採用した。その結果、ゲーム開発会社などの参入コストが下がり、08年に約5万種類だったアプリケーション数は今年1月には55万種類へと急増した。しかし、Facebookのユーザー数がこの半年間で14%増加したにもかかわらず、アプリの利用率は20%低下し、毎日特定のアプリを利用しているユー ザー数も13%減少したという。トップ3のゲーム会社のゲームに毎日アクセスするアクティブユーザーも10~50%低下している。一体、何が起きたのか?
「Facebookのプラットフォームとしての性質がこの半年間で大きく変化した」。英大手ソーシャルゲーム会社PlayFishのダン・フィデン氏はこ う指摘する。これまではSNSの口コミで情報が広がりユーザーが求めるタイトルを見つけ出すことができた。しかし、供給が適正水準をはるかに超えたことで 「市場がスパム状態になってしまった」とフィデン氏はいう。ゲーム業界では1980年代に米アタリ社のゲーム機向けソフトが乱造され、「アタリショック」 と呼ばれる急激な販売不振を招いたことがある。今回のケースも構図はアタリショックと同じだ。