「デイサービスセンター朱鷺の苑幸町 機能訓練室からのお知らせ」 | デイサービスセンター朱鷺の苑幸町 ブログ

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「デイサービスセンター朱鷺の苑幸町 機能訓練室からのお知らせ」

 

 

 桜も散り、段々と暖かくなってきましたね。陽気の良い日には外へ散歩も出かけたくなりますね。しかし、中には膝が痛くて歩けないという高齢者の方も多くいらっしゃいます。それは、変形性膝関節症が原因かもしれません。変形性膝関節症では、加齢による筋力低下や肥満による体重の増加などにより、関節軟骨がすり減り、徐々に関節の変形が起こります。変形性膝関節症の主な症状は膝の痛みと水がたまることです。立ち上がり時や歩き始めなど動作の開始時に痛みが生じ、正座や階段の昇降が困難となります。そうした日常生活の活動性の制限は、身体を更に弱らせ、寝たきりを引き起こす要因にもなります。

 

 そこで、今回は理学療法士の指導による変形性膝関節症に対するリハビリテーションを兼ねた当苑の機能訓練を、変形性膝関節症を患っている86歳肥満女性の方を例に挙げてご紹介いたします。この方の場合、お仕事を退職されてから、運動不足による体重の増量と、加齢による関節軟骨の減少により、膝関節の負担が増大し、変形性膝関節症を発症しました。膝関節の変形および関節痛が悪化し、外出を控えるようになったことで更なる運動不足を引き起こし、また体重が増えるという悪循環が生じていました。また、この方は機能訓練において、体重の減量と、特にウエスト周径の減少を希望されました。そこで、膝関節の負担の軽減と体重の減量のために有酸素運動と筋力増強訓練のプログラムを、ウエスト周径の減少のために呼気筋運動を含めた特殊プログラムを組み、週2回の機能訓練を12ヶ月間継続して行いました。

 

 

 機能訓練を12ヶ月行った結果、体重は65.95→62.45kg(-3.5kg)、ウエスト周径は101→91cm(-10cm)、ヒップ周径114→105cm(-9cm)と、全ての項目において減少傾向がみられました。高齢者において加齢性筋萎縮により基礎代謝が落ちていることから、体重の減量は非常に緩やかですが、少しずつ減量傾向に向かっていました。ウエスト周径を引き締めるために行った特殊プログラムは、即効性があり、始めの1ヶ月で-6.5cm減少しました。ちなみに、現在のウエストは89cm(-12cm)であり、目標としていた90cmを突破することができました。ヒップ周径も、下肢筋力増強により基礎代謝が向上したことで、減少傾向に向かっていました。また、体重の減量と下肢筋力増強により、膝関節の負担と痛みが軽減され、たまに外出する回数も増えており、日常生活における活動性の向上もみられました。この方は、現在もまた新たにプログラムを更新しながら、健康の維持または向上のために機能訓練を継続されており、今後の更なる発展が期待されます。

 

 

 

 

 いかがでしたでしょうか?今回は少し特殊な症例をご紹介させて頂きました。この他にもご利用者様の様々な悩みや希望に対して、理学療法士の指導の下、個別の機能訓練プログラムをご提供させて頂いております。身体の健康を維持または向上させ、介護を必要としない自立した生活を送るためのサポートさせて頂きます。今後とも当苑の機能訓練室をどうぞよろしくお願いします。