25日、農協法改正関連法案の採決が行われました。30日にも衆院通過する見通しです。残念です。阻止するたたかいは参院へと移ります。

採決に際して、私が反対討論を行いましたので、掲載します。


 私は日本共産党を代表して、農業協同組合等の一部改正案について反対討論を行います。
 反対の第1の理由は、協同組合の改革は、「自主自立」が基本であり、政府が押し付けるものではないということです。

 国際協同組合同盟、ICA理事会は、日本の農協運動の結束を解体する法改正に大きな懸念を表明し「こうした法改正は、日本の農協が農業者や地域社会に提供しているサービスを縮小し、最終的には国民経済にとって逆効果となるだろう」とプレスリリースが発表されるほど、国際的な批判を受けている法改正であるということです。
 本来政府がやるべきは、JA全中が自らまとめた自主改革案を尊重することです。
 さらに「農業協同組合の理事の過半数は、認定農業者又は販売・経営のプロとする」と、理事の資格を導入することは、協同組合の「自治と自立」の原則を踏みにじるものであり認められません。
 第2の理由は、今回の法改正で、JA全中は、社団法人化され、監査指導権限の剥奪、建議の法的根拠の撤廃などがされ、各単位農協、都道府県中央会への指導権限を失います。又、賦課金(ふかきん)の徴収もできなくなり、活動資金が絶たれます。これらの動きは、JA全中が、組合員である農家の利益を最大限に守る立場で行ってきた、TPP反対運動の沈静化をはかるための解体とも言えるものであり、許すことはできません。
 第3の理由は、全農・経済連の株式会社化を選択肢に導入したことです。株式会社化は、農協事業の独占禁止法適用や外資の株式所有を可能にするものです。これまでの「営利を目的としてその事業を行ってはならない」としていた規定を削除し、「高い収益性を実現」に置き換えたことは、全農・経済連のみならず単位農協の株式会社化を進めるものです。地域のインフラを支えてきた農協の存立を脅かし、あげた利益を組合員である農家から株主に移行するものであり、認められません。
 第4の理由は、農業委員会の公選制を廃止し、目的規定から「農民の地位の向上に寄与する」を削除し、「農業・農民に関する意見の公表」の権限が奪われる点です。
 農業委員会は、公選制のもと農業者が自ら代表者を選ぶことで農地の守り手となり、役割を発揮してきました。それを、市町村長の任命制にすることは、農業者の自主性を奪い、「農地の番人」としての農業委員会制度を骨抜きにするもので認められません。
 さらに、農地法の一部改正で、農地所有の法人の要件緩和を進めることは、企業による農業・農地支配を一層進めるものであり、許すことはできません。 
 日本共産党は、以上のような農業組織の解体ともいうべき法案を、当事者、全中の意見表明もされないまま、審議で問題点が明らかになりさらなる質疑が必要なもとで採決することに強く抗議を表明して、反対討論とします。