先日、映画 『アブラクサスの祭』 試写を拝見する・・・。
生きることに葛藤する、スネオヘアーさん(←さんを付けると妙な響きで微妙だ!笑)
演じるお坊さんが、今は辞めてしまった音楽に向き合うことで必死でまた生きようとする物語。
鬱病患者だった過去を持つ彼の心を常に気に掛け、ブツブツ文句を言いながらも、
いつも夫の目線に、心に寄り添おうとする気丈で健気な妻役ともさかりえさんがとても良い。
そして幼い一人息子を加えたこの3人家族の様子が本当の家族のように見えて温かい。
子供用のピアノを弾いて息子と歌うシーンは、かなり素敵なシーンである。
子役の子のナチュラルさに脱帽・・・。
住職(小林薫さん)とその妻(本上まなみさん)の穏やかなまなざしで見守る雰囲気と、苦悩しながらもまっすぐ正直に生きようとする彼の姿に、福島の町の人々が癒されていく様子はこの作品の深い優しさを表している・・・。
少し寂し気な福島の町と、オーディションで決まった地元のキャストの本物の福島弁も素晴らしくいい味を醸し出す。
老犬として登場するわんこも本当に老犬だったらしく・・・、
確かにあのせつなくなるようなたるみや毛並みはどんな演技派のわんこだって出せやしまい!
何というか本物がこうして揃うと、バツンと心に届く作品になるんだな~と感じた。
それはスネオヘアーさんの歌声しかり・・・。
なんて透明で綺麗な声。 ラストのライブシーンの冒頭驚いてしまった。
で、エンディングテーマが凄く気に入った。
レナード・コーエンの恐らく誰でも聞いたことのある、あの「ハレルヤ」のスネオヘアー版。
ともさかさんのフランスチックなつぶやきも入って、さすがっ、お洒落この上ない仕上がり。
実はファンであるほっしゃん。が、イメージそのままのパーソナリティの役で登場し、個人的に嬉しくも切なく・・・・。
全編通して生きることの苦しさを受け入れた上での、人の温かさと優しさに溢れている。
~お坊さんなのに12/25(土)よりクリスマスロードショー!、とフライヤーに書いてある!笑
うんうん、優しい静かな感動が絶対に年末に相応しいと思う・・・。
自信をもっておススメしたい作品。
* 映画『アブラクサスの祭』 公式サイト→ ★