27日の土曜日、東京国際映画祭の『明日への遺言』(あしたへのゆいごん)
ワールドプレミア@オーチャードホールに行って来ました。
やられました・・・。
じんわりと涙が止まらなくて。
ハッキリ言って、殆どが裁判のシーンで決して明るくありません。
でも決して、戦争もの、裁判もので片付けられない奥行きある作品で、コレ実話です。
一人の部隊のリーダーとして、また家族の主として、未来に命をつなごうとする
一人の男性の誇り高き生き様に、がっちり心掴まれました。
悲しいというより、清々しい何かをポトンッと心の奥深い所に落とされた感覚。
こんな気高い日本人がいたんですね~、なんか誇らしいです。
何といっても、その第二次世界大戦終戦後の戦犯裁判を一人背負って戦った、岡田資中将演じる藤田まことさんの、究極まで抑えた演技は、逆に激しい心の内を想像させる、すさまじさ。
同時にリーダーとして、またひとりの人としての、当たり前の責任をまっすぐに果たそうとする姿が、純粋に爽やかな気持ちにさせてくれる・・・、
藤田まことさんは、明らかにはぐれ刑事の安さんとは別人でした。
妻役の富司純子さんなんて、傍聴席からひたすら主人が闘う姿を見守るわけですが、
セリフ全然ないんです。驚
ん~、表情と佇まいだけの見事な演技!
日本のお母さんという言葉がよく似合う雰囲気で、自分の両親とダブらせてみてしまうもので、
富司さんが気丈にふるまえば私泣く・・・
富司さん泣けばまた私泣く・・・みたいな。笑
とにかく出演の俳優さんにただただ震えるような感動を戴く。
弁護人も検事も両方アメリカ人という、え~っ、あり得ないでしょう!!
というシチュエーションが正に物語としてキーなんですが、裁判の心情のやりとりに引き込まれてあっという間の2時間、これはぜひ多くの方に見て欲しいです。
特に、現在のニッポンのリーダーの皆さんに・・・。
藤田さんは恐らく三分の一っくらいは英語のセリフなんです!
実はこの英語のセリフは、ちょっぴり私がお手伝いをさせて頂いたということもあり、
その役者魂を皆さんにもご注目頂きたいです・・・。
英語を話さない藤田さんにとって、ココまで暗記されるには相当な格闘があったはずです。
正直、台本を戴いた時は、『この量、嘘でしょ!』と思ってしまいましたが・・・凄いッ!
仕上げは現場の通訳さんの素晴らしいサポートで、本当にクリアでキレイな英語でした。
クロサワ組の小泉堯史(たかし)監督が構想15年もかけてできた作品だそうで・・・。
最後の森山良子さんの「ねがい」という曲がまたいいんだわ、コレが!
3月に公開になったらまた見よっかな。
あっ、そうそうナレーションが竹ノ内豊さんだったのが意外でした。
言われなきゃわからなかったかも!