役者=貧乏のイメージが、世間にはありますが、

実際その通りですね(^^;

 

役者の専門学校や養成所を出た、劇団に所属している、事務所に所属している、

それだけではみんな貧乏です。

 

調理師の専門学校を出た人が、調理の仕事に就いたら毎月給料がもらえますが、

役者は劇団に所属したからといって、大抵の劇団では給料なんかもらえませんし、逆にチケットノルマや運営費を負担しなければなりません。

 

芝居をすることが好きで役者を志したとしても、

お金がなければ生きていけませんから、役者業で稼げるようになる前に、お金を苦に辞める人が多い業界です。

 

さらに問題なのが、「安定」が得にくいということです。

 

最近webニュースで話題になっていましたが、

菅野美穂と堺雅人の夫婦がなぜ質素な暮らしをしているかという問いに対して、

「役者は浮き沈みの激しい職業だから、常に倹約を心掛けている」というようなことを言っていたそうです。

 

あんなに有名で、映画やドラマに何本も主演しているような夫婦でもそうなのですから、

売れない役者はもっと厳しいです。

 

たまに少し仕事があったとしても、仕事がいつまで続くかは分からないものです。

私の事務所時代の先輩に、

一時CMやドラマが立て続けに決まり、

その間はけっこう稼げたようで、しばらくはバイトもなしで生活できたようで、

その後もトントン拍子に売れるのではないかと期待して待ち続けても、

その後10年も大きな仕事がもらえず、

またアルバイトをしながら役者を続けてきたという人もいました。

 

その先輩の言葉で重かったのは、

「一時仕事があったから期待してここまで続けてしまった。あの頃全然仕事がなければ、きっと辞めるタイミング逃さなかったのになぁ」

というものでした。

 

仕事がもらえるようになったとしても、いつまで続くかわからない。

一時お金を稼げたとしても、仕事がなくなるリスクを考えると、下手に使うことも出来ず節約しないといけない。

 

そういう役者の世界と、

稼げる額に幅はあるしやりたくない仕事かもしれないけれど収入の安定しているサラリーマンとを比べた時に、

このまま役者を続けるべきかを悩む人は大勢いますし、私もそうでした。

 

このブログでは何度も書いていますが、

私はしっかり決断して役者を辞められて良かったと思っています。

 

その一方で、迷ったまま答えを出さずに30歳過ぎになり、

役者として生きるにも、辞めてどこかに就職するのも難しくなってきて苦しんでいる知人もいます。

 

役者業の不安定さを知り、続けるか辞めるかを現在悩んでいる人には、

年を取ってから後悔する前に、しっかりと決断をしてほしいと思います。

 

 

 

芝居だけで食えない役者は、バイトをして生計を立てている人が多いです。

全く仕事がないのであれば、

稽古の合間にバイトというサイクルでやることが多いのですが、

少しずつオーディションに通るようになってきたり、

映画やドラマの撮影などが入るようになってきた時が、

下手すると一番貧乏になる時かもしれません。

 

駆け出しの役者の場合、仕事のスケジュールが前月のうちに分かるようなことは少なく、

何日か前もしく前日などにマネージャーから連絡が来て、

「明日、仕事が決まったから何時にどこへきて」と呼ばれることが多かったです。

 

そうなると、急遽バイトを代わってもらったり、

それすら間に合わない場合は

「仕事が入ったのでバイトに入れません」と連絡しないといけなかったり、

バイトを雇う側や、代わりをお願いされるアルバイトの人にはどうしても迷惑がかかってしまいます。

 

そのため、映像などの役者の仕事が入るようになってきた時には、

多少仕事が入るだろうと見越して、バイトのシフトを減らしたりする人も多いです。

 

その結果、バイトの収入は減っても、

映像の仕事があればギャラが出るし、それで何とかなると考えるのですが、

まとまった収入になるほど映像の仕事も続かず、

結局、バイトを減らした分余計に貧乏になったりします。

 

多少なりとも映像など役者の仕事でお金を稼げることは嬉しいことですが、

少し稼げたことで期待をして、ブレイクまでもう少しなんじゃないかと夢見ても、

その後長いこと鳴かず飛ばずで終わってしまう人もいます。

 

再現ドラマ、深夜ドラマの名もない役などでも、出演出来た時はすごくうれしいものですよね。

役者の仕事で多少なりともお金が稼げたのは、努力の賜物だと思います。

 

ただ、そこまで行けたとしても、

その後にもっと大きな仕事がもらえるか、仕事が続くか、

というのは分かりません。

 

私が所属していた事務所の先輩は、

20代の時にCMやドラマの仕事がしばらく続き、

一時はアルバイトなしで生活できるようになったものの、

その後10年間もこれといった仕事もなく、

またアルバイト生活になったという役者もいました。

 

いつ仕事が入るようになるかも、

いつ仕事が途切れるかも分からない業界なのだと、

先輩の話を聞いて強く思いました。

 

仕事が入り始めた時も、

役者の仕事だけで食えるようになった人でさえ、

いつ仕事がなくなるか、

収入が途絶えるかわからないという不安を持っているのがこの業界です。

 

菅野美穂さんと堺雅人さん夫婦も、

あれだけ映画やドラマに出演しながらも、

「役者は不安定な仕事だから」と節約を心掛けていると言います。

 

やはり役者業を続ける限り、

お金の不安はつきまとうものなのでしょう。

 

役者で少し稼げるようになったとしても、

役者の仕事だけで食っていけるようになるには、その先にもかなり厳しい道のりが待っていますし、

いつ仕事が入ってくるか分からない状況では、

バイトを減らして、よりお金のない生活を耐えないといけなくなります。

 

それだけ耐えても食っていけるだけの仕事がもらえるか分からない業界なのだということを改めて認識して、

それでも役者をやり続ける覚悟があるかどうかをしっかり考えるべきです。

私は20~21歳の頃までは芸能事務所に在籍し、

その後は劇団に入団し、小劇場の世界に入りました。

 

小劇場で芝居をやってみると、

その世界にいる役者たちがいかにして貧乏になるのかが分かります。

 

まず劇場を借りるお金やスタッフに支払うお金、

それに大道具や小道具を作るお金、

稽古場を借りるお金、稽古場に行くための交通費、

チラシの印刷代

などの芝居を作るために必要なお金の一部を、

公演を行う前に前払いで、自分たちが負担します。

 

そして足りない分は、

公演のチケットの売り上げで賄うわけですが、

よほど有名な劇団でない限り、

販売開始したら勝手に売れていって完売するなんてことはないです。

 

役者や一部のスタッフに、

「あなたは~枚売ってきてね」というチケットノルマが課せられ、

それで費用を賄えるだけの売り上げを確保する。

 

それが、小劇団と呼ばれる劇団のほとんどが取っている集客方法です。

 

チケットが全て売れたとしても、

利益なんてほとんど出ません。

 

それゆえに役者に対するギャラも出ません。

それどころか、チケットノルマを達成出来なければ、

足りなかった枚数分は自分で買い取ることになります。

 

枚数によっては5万とか10万という額を支払わなければいけないのです。

 

だから役者は、

稽古に打ち込み、

生活費を稼ぐためにバイトをしながら、

さらにチケットを売り込まねばなりません。

 

その結果、

小劇場の公演では、ほとんどが出演者やスタッフの知り合いで客席が埋まっています。

チケットノルマを課せられた役者やスタッフが、自分の家族や友達、他の劇団や事務所に所属している同期などにチケットを買ってもらうことが多いためです。

 

 

僕が劇団で芝居をしていた時も、

やはり新規のお客さんを呼ぶだけの集客力がなかったので、

出演者やスタッフにチケットノルマが課され、

そのチケットたちは、出演者やスタッフの友達や家族や芝居仲間に買ってもらっていました。

 

前述の通り、

課せられたチケットノルマは

達成できなければ自腹で支払うことになってしまうので、売る方も必死です。

 

友達であれ、しつこく営業メールを送って買ってもらうこともしばしばありました。

たまにしか連絡しない友達であれ、携帯のアドレス帳入っている友達のほとんどにメールをして、

「予定が空いてたら観にいくよ~」などと言ってもらえたら、

公演日近くに「予定どう?」など催促のメールをするなど、ほんとうに必死でした。

 

所属劇団の公演だけでも、年に2回程度ありますし、

他の劇団へ客演したりすれば、年に3回も4回も案内のメールを出すことになります。

 

社会人の友達などは、会社で月曜~金曜まで働いて疲れ切って、

土曜や日曜の休みの日に観に来てもらうことになりますし、

社会人になってまだ1年とか2年とかの少ない給料から、

自分たちの芝居に3000円とか4000円とか払ってくれる。

 

すごく大変なことで、すごく有難いことです。

 

だけどそうやって送り続けていれば、

やっぱり忙しいし毎回来られるわけでもなく、

こちらもそんなお願いばかりしていると、

申し訳なくなってきたり、迷惑がられているのではないかと思い始めて

なかなか連絡がとりづらくなったりしますし、

 

相手も毎回断ることを悪いと思っていたりして、

どちらからともなくだんだん疎遠になってしまうことも多くありました。

 

そういうのが嫌で、友達には極力舞台の誘いを送らないという人もいて、

中にはもう、自分からはチケットを売らないと決めて、

チケットノルマ分はすべて自分で払う覚悟で、

その分のお金がたまったら公演に出ると決めている人までいました。

 

やはりチケットノルマとは、

役者をより貧しくさせる原因でもあり、

役者の芝居関連以外の交友関係にまで大きな影響をおよぼし、

より役者の道と一般社会を相いれないものにしている要因であると思います。

 

小劇場での公演や、小劇場で公演を行う劇団の中には、

無名であれ、すごく良い作品を作っているところもありますし、

そういった作品を作り続けることで、

有名になって、

より大きな劇場で公演を行えるようになり、

チケットノルマなしで集客できるようになり、

出演者にギャラを払えるような団体になることもあります。

 

しかしその一方で、

そこまで耐えきれずに辞めていく人、

解散する劇団が数多くあります。

 

ずっと鳴かず飛ばずの劇団で公演を続け、

30を過ぎても40を過ぎてもチケットノルマを負担しながら

小劇場で芝居をし続けている人も知り合いにいます。

 

いつか売れる日を信じて、

チケットノルマを負担しても、芝居以外の友達が減っても、

役者を続けていくことが出来るのか、

しっかり考えて覚悟を持つ必要があります。

 

 

 

 

 

役者が、役者の仕事でお金が稼げない時、

多くの人はアルバイトで生計を立てます。

 

ただ、あくまでも役者の仕事や稽古が優先ですので、

アルバイトでもシフトの融通のきくものや、

短時間でも大きく稼げるバイトを選ぶ必要があります。

 

シフトの融通のきくバイトは飲食店やコンビニなどに多く、

僕の周りでもそれらのバイトをしている人が多かったです。

 

一方で、女性の場合はキャバクラやガールズバーなどで働く人もいました。

最初はほとんどいなかったのですが、

専門学校を卒業して時間が経つごとに、

同級生や先輩後輩の中でそういった水商売を選ぶ人が増えていきました。

 

やはり、役者の仕事で稼げない時に普通のアルバイト以上のお金を稼げる仕事というのに魅力を感じて、

つなぎのつもりで水商売の世界に入ったものの、

それまで役者として苦労しても稼げなかったようなお金を手に入れて、

そのまま役者を辞めてしまった人も何人もいました。

 

やはりそれだけ、役者の仕事でお金を稼げるようになるまでは大変な苦労がありますし、

どれだけ苦労したところで稼げるようにならないかもしれない世界ですから、

時給換算してそれまで稼いだことのないような金額を稼げた時に価値観が変わる瞬間があって、

大変な苦労をして役者の夢を追うか、もっと確実にお金を得るかを天秤にかけてしまうひとが多いのではないでしょうか。

 

専門学校に入学したころ、

先生が「水商売には手を出すな。お金は稼げるかもしれないけれど、役者になる夢を叶えるならやらない方がいい。それで辞めていった先輩や同期を何人も知っている。」と言っていました。

きっと、役者から水商売を始めて、そのまま役者の道を辞めてしまう人は今も昔も多いのでしょう。

 

それが悪いのかどうかは、結局は本人が納得するかどうかだと思いますが、

僕は同級生や知り合いがそうして辞めていくことにはさみしさを感じました。

 

役者の仕事でお金を稼げない間は、

他のアルバイトで生計を立てたり、芝居作りにかかる費用を賄わなければならず、

稼げる仕事なら水商売でもやった方が良いと考える気持ちもわかりますが、

そうして辞めていった芝居仲間たちのことを考えると、

私はあまりおすすめしません。

 

水商売を始めるかを迷うのであれば、

なんとしても、水商売をしてでも役者を続けたいと思うのか、

きっぱり辞めた方が良いと思うのか、

自分の気持ちをはっきりさせて、

まずは役者を続けていくか辞めて別の職に就くかを決めた方が良いです。

 

その上で、役者を続けていきたいと思うのなら、

水商売で稼ぎながら役者を続けるというのも選択肢のひとつとなるでしょう。

「芝居はつぶしが利かない」とは、専門学校に入った当初に講師に言われた言葉です。
 
一般的な職業でも、つぶしがきかないと言われているものは数多くあると思いますが、
芝居・役者の場合の「つぶしがきかない」はちょっと毛色が違います。
 
なぜかと言えば、他の「つぶしがきかない」職業は、
他の職業に応用がきかないとはいえ、見習いであれ新入社員であれ、
その仕事ではお金が稼げるものですが、
 
芝居は、「芝居」という職業でもお金が稼げる人はほんの一部であり、
 
それどころか、多くの人は他の仕事で稼いだお金を「芝居」という仕事のために消費することになるからです。
 
 
僕が役者をやっている時に恐怖を感じていたことのひとつが、
役者の仕事で食えなかったら、他に何の仕事が出来るんだろうということでした。
 
事務所に所属していた時も劇団に所属していた時も、アルバイトはしていましたが、
とにかくレッスンや稽古や公演、事務所のイベントや手伝いなどを優先させるために、
時間の融通がきくバイト、なるべく急に休んでも許されるバイトを選んでやっていました。
 
そうすると、バイトの選択肢ってあまりないんですよね。
 
僕の場合はマクドナルドのバイトには大分お世話になりました。
あとはコンビニなどですね。
 
ある程度バイトの人数がいて、出来れば24時間営業しているお店であれば、
事務所や劇団の仕事のスケジュールに合わせてシフトを組みやすかったので、
そういったところを狙っていました。
 
知り合いがやっていたのは、
・警備員
・キャラクターショーの着ぐるみアクター
・飲食店
・雑貨屋
・コンビニ
・バー
・居酒屋
・新聞配達
・ピザの宅配
・キャバクラ
などがありました。
 
圧倒的に多かったのは飲食店です。やっぱり融通がききやすいですからね。
 
 
飲食店のバイト、例えばファミレスでバイトをしていたとしたら、
そのファミレスの正社員になるのには近道になるでしょう。
 
ファミレスの正社員になりたいのであれば何の問題もありませんが、
別の仕事がしたいと思ったら、やりたい仕事の技能や経験をつけるべきですが、
それがなかなか出来ないのが役者の不安や苦しみにつながります。
 
僕自身の経験としては、
役者をやっている間はコンビニ、マクドナルドのバイトしかしていませんでした。
 
その二つの良いところは、どこに行ってもだいたいあるので、
途中で引っ越したとしても、店舗を変えて同じ仕事を続けられることでした。
 
それと、僕の夢を応援してくれる人が多く、
急にお願いしてもバイトを変わってくれたり、
劇団時代は公演を見に来てくれる人が多かったり、
今思い返しても本当に有難い限りでした。
 
ただ、やっぱりファーストフードや飲食店の正社員のきつさは散々見聞きしてきていたので、
役者を辞めてからそこに進もうという気にはなれませんでしたが。
 
役者を辞めてからは、
書店の契約社員
喫茶店の準社員
携帯キャリアショップの正社員
SESの正社員
フリーのSE(個人事業主)
と結構様々な職業を経験してきました。
 
その経験から考えるに、
役者をやっていたことは他の職業への就職に役には立ちませんでした。
 
敢えて言うならば、役者をやっていたのならコミュニケーション能力が高いだろうと思われたり、経営者や人事の方が夢を追う若者が好きで気に入られたりというようなことはありましたが。
 
役者をやっていて、演劇以外のスキルがつかないという悩みを解決するには、
役者の仕事をしながらでも出来ること、例えば、資格を取るとか、
興味のあること、やりたいことを探すというぐらいは、稽古とバイトの合間でもやっておいた方が良いと思います。
 
その経験はきっと、役者の仕事にも活きるものと思います。
 
しかし、新卒でも就職難と言われる現在、
25を過ぎて初めての就職となると厳しいのは間違いありません。
 
役者の夢を追った後、その夢が叶わず役者の道を諦めた場合に、
何かしらの仕事に就いて働かねばならないことを甘く考えずに、
そして、そのスタートが遅くなればなるだけ、
余計に職に就くことは厳しくなり、
選べる職は狭まり、
やっと就職できた会社でも、同僚よりもスタートは遅くなるのだということはしっかり考えて、
覚悟をしておく必要があります。
 
それらは、私が職に就いてから自分が感じたことです。
また、そういったことを真面目に考えられずに、
年を取ってから、就職先もないし、あったとしても自分よりずっと若い上司の下で働くのが嫌だからという理由であまり熱意もなく役者を続けている先輩を見て、
役者をしている段階から考えておくべきことだと感じています。