震災の日。その5になります。

震災当日、東京にいた私は
避難場所となった品川のホテルのロビーで
新宿から歩いてきた長男と会うことができました。
閉鎖されていたホテルは、夜遅くになって部屋に入れるようになり
非常階段で33階までのぼり、部屋に入ることができました。

羽田は、閉鎖されていました。
電車も完全にとまっていました。

翌朝
電車が、一部で開通の見通しときき、
午前11時ころには、京急線も、開通するらしき情報がはいってきました。
羽田でも、飛行機が再開する事が期待されました

そこで
朝、長男とふたりで
京急が、再開する時間にあわせて
ホテルを出ることにしました。

前日の夜、地震と停電の影響で
部屋のお湯がでなく
朝になるのを待って
二階のプールのシャワールームを借りに行ったのです。
その帰りに
式場の前を通った私は
このような光景をみました。

花嫁さん
花婿さん
親族の方達が
集まりはじめていて
結婚式が
始まる所のようでした。
おそらく
つづけて、披露宴も行われる様子でした。

日本の、巨大ホテルの、底力を感じました!
前夜は、避難場所となったロビー。
まだ、電車も飛行機も、完全には再開していない状況で
結婚式が予定通り、きちんと
とりおこなわれるなんて!
驚きでした!
料理の材料は、食材はあったのかしら?私はすぐに、そんなことを思いました。

確かに、昨日、ロビーであった方の中で、
明日は友達の結婚式に出る予定だったのに、どうなるのだろう、と、話した方がいて。
そのことを思い出しました。

そのあと
わたしたちは、ホテルを出て
京急線の、再開を待って、羽田までいくことにしました。

千歳行きの飛行機については
長男はその日のチケットをもっていましたが
私のは、昨日の便の指定で変更不可の格安チケットだったので、変更が可能かはわかりませんでした。

ただ
航空会社に問い合わせてみたところ
とりあえず、羽田のカウンターへ行って下さいと、言われていました。
こういう状況なので
電話で受け付けることはできなくても、直接、受付カウンターにきてくれた方には、順番に、対応します。という返答でした。

京急線の再開を待つ人達はいっぱいで、かなりの人達が、長い行列をつくり、並んでいました。
私たちは、もみくちゃに、なりそうな状況でも、なんとか、電車にのることができ、
無事に羽田へつくことができました。

羽田はさらに混雑していました。
各カウンターに、何重もの、長い列ができていて、何時間待てば、自分の順番になるか、わからないとおもえました。
千歳行きは、減便でしたが、飛びはじめて、いました。
しかし、どれも満席であり、昨日に乗れなかった人達が空席待ちをしているという事で、ますます、私の席はすぐには、手に入らないと、おもわれました。
ジタバタしても仕方ないので、とにかくじっと、忍の一字で待ち続けることとなりました。
そして、昨日空港へ送った
私のスーツケースをひきとりにいってみました。
なんと、スーツケースは、私の前に、現れました。
ちゃんと、羽田に届いていたのです。

羽田は、尋常ではない
混みようでした。
テレビ曲の、特番がくまれているのか
テレビでよく見るリポーターさんが、大きな声で、中継をしているのも、みえました。

何人、空席待ちをしているのか、わからないけど
たしか、羽田に着いたのはお昼前ころだったと思うのですが。
その日の最終便までには、なんとか乗れるのではないか、夜までには乗れたらよいけど、と、考えていました。

まわりには、東北方面へ、行く予定のかたもいました。
仙台空港は、閉鎖されたままで、いまだ未定で、再開する予定がたっていませんでした。

2人でスーツケースをもって立って、並んでいると
長い時間の間に
前後の方達との交流がおきはじめました。
トイレへ行っている間に
お互いの荷物を預かっていたり、預けたり。
待ち時間の間に
色々話をすることができました。
東北に実家がある人
両親が仕事に行っていた人
東北に行く予定だった人
旅行にきていて、被害にあったひと

色々な方達と話をしました。

そんな中で、ほとんど誰一人として
大騒ぎして、迷惑をかけるような
人はいなく
皆、助け合いながら
お互いの状況を思いやる気持ちがあり
数時間の待ち時間は
そこまで、大変なことでもありませんでした

そして
最終便に、のれればよいかも
と、いっていたのが
とつぜん、夕方の便にのれることになりました!
千歳行きに空きがあります。という、出発直前になってのアナウンス!
私たちは、一緒に空席待ちをした方達に、慌ててお別れを言いに行って、
急いでチェックインしました!

おもいがけず
私たちは、早くに飛行機に乗れることになりました。

そして、飛行機にのって、また、驚きました!
なんと、座席は、がらがらに近い状態でした。
おそらく、半分は乗っていなかったのではないかとおもいます。

皆、チケットはもっていて
満席には違いないけど。
羽田まで、来れる人が少ないのでしょう、という事でした。

私たちは、朝一で行動して、なんとか羽田まで行くことができたけど
皆がこれた訳ではなかったのです。

千歳行きの飛行機にのって
飛行機が離陸したとき、
ほかの方達には申し訳ないのですが、
これで、札幌に帰れる。。と、
なんともいえない、ほっとした
そんな気持ちになってしまいました。。。。。