彼の地ロシア、今はまた遥か遠い国となってしまった。

 シベリアの森を流れる大河アムール川、この水系に三度遠征した。山奥の猟師(漁師)小屋に世話になりながら、イトウの仲間のタイメンを狙った。

 基本的にタイメンの生息する河川は北極海に流れ込むが、アムール水系は太平洋側に流れ込む。この大河川は、北方系と南方系の魚が共存する貴重な自然環境を有する。例えば南方系の雷魚やケツギョもいるが 、北方系のパイクやレノックも生息する。とてつもないサイズのタイメンが生息していたが、私は仕留めることは最後まで叶わなかった。しかし、じゅうぶん見ごたえのある個体には出会えた。日本のイトウなら大物である。

この水系に生息するタイメンは、他の北極海に流れ込む河川の個体とは雰囲気が違う。私の出会った個体は、まだまだ若い個体と思われるが、斑点が細やかで、色合いも紫とエメラルドグリーンを薄っすらとまとっていた。タイメンといえば黒い体色で、もっと単純なカラーリングをイメージしていたが、肉眼で見たそいつは、写真では伝わりきらない、とても美しいものだった。

このタイメンのブローチは、だいぶ前に作ったものだ。いま作ると、おそらく違う表現になるだろう。






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