ジロ・デ・イタリア2022
5月17日(火)
ステージ10
ペスカーラからイェーズィまでの196 km
優勝は、121.ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、ワンティ)
アフリカ出身黒人選手初のグランツール区間優勝。
マリア・ローザは、
204. ファン・ロペス(スペイン、トレック) 。
第2週目は、アドリア海に面したアブルッツォ州中部の街ペスカーラから動き出す。
前半は真っ平ら、後半に丘陵地帯という珍しいコースレイアウトで、獲得標高差1760mのほとんどが後半95kmに詰め込まれている。
16. ローレンス・ナーセン(ベルギー、AG2R)
82. マッティア・バイス(イタリア、ドローンホッパー)
がスタートと共に飛び出し、遅れて
135. アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、イスラエル)
が合流。10kmを要さず3名があっさりとエスケープを決めた。
逃げた3名
16. ローレンス・ナーセン(ベルギー、AG2R)
82. マッティア・バイス(イタリア、ドローンホッパー)
135. アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、イスラエル)
ブロックハウスでの粘り強い走りでマリローザを維持する
204. ファン・ロペス(スペイン、トレック)
を筆頭に、和やかモードで進むメイン集団は最大6分程度のタイム差を3名に許した。
丘陵スプリントで強さを発揮する
21.マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
擁するアルペシン・フェニックスと
121.ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、ワンティ)
のステージ優勝を狙うアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、そして第1ステージと第6ステージのリベンジを狙う
151.カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)
擁するロット・スーダルがメインの先頭に立ち続けた。
ジロ・デ・イタリアの特別ラッピングが施されたトロフェオ・センツァフィーネ(総合優勝者に送られるトロフィー)を運ぶ特別列車と並走し、丘陵ゾーン突入手前に用意された中間スプリントポイント(100km地点)ではメイン集団内で
131. ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、イスラエル)
が先頭通過。
アップダウンの連続区間に入ると、まだペースが上がっていないメイン集団後方では登りに苦しむユアンの姿が映し出された。
明らかに本調子ではないユアンはフィニッシュまで80km弱を残して遅れ、マイペース走法に切り替えて完走を目指した。結果的に先頭のフィニッシュタイムから13%、つまり35分23秒遅れまで完走扱いになるタイムリミットをほぼ全て使い切る31分18秒遅れの最下位で辛くも翌日以降に望みを繋げている。
総合4位
1. リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス)
は残り78kmのダウンヒルで落車するも、幸い背中に軽い擦り傷を負ったのみで集団復帰。
171. マーク・カヴェンディシュ(イギリス、クイックステップ)
も脱落する中、プロトンは2017年に急逝したミケーレ・スカルポーニ(イタリア)の故郷フィオットラーノを通過。
アルペシン・フェニックスや、
181.サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)
の総合脱落によって戦略変更をとったバイクエクスチェンジ・ジェイコが積極的に動く中、フィニッシュまで20km以上を残して唯一逃げ続けていた
135. アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、イスラエル)
を飲み込んだ。
アンテルマルシェとアルペシンの牽引でアルデンヌクラシックのようなアップダウンコースを飛ばしに飛ばし、最終盤に位置する4級山岳では
214. アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア、UAE)
らがアタックを打ち続ける。
ここまで粘っていたマリアチクラミーノの
112. アルノー・デマール(フランス、FDJ)や
131. ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、イスラエル)
を含めてピュアスプリンター勢は軒並み脱落を喫した。
4級山岳を越え、メイン集団に残ったのはファンデルプールとギルマイ、そして総合勢を含むわずか30名程度。
すでに総合成績で遅れている
31. ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ)
や、膝にサポーターを巻いた
181.サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)
201.ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック)
が動き、ファンデルプールは5kmを残した下り区間で渾身の攻撃を仕掛けた。
しかしファンデルプールに対し、そのライバルと目されるギルマイが追走して引き戻す。
アタッカーに加えてカラパスや
191. ロマン・バルデ(フランス、DSM)
91. ヒュー・カーシー(イギリス、EF)
といった総合陣もアタックを放つ混沌とした展開が続いたものの、フィニッシュ手前の平坦区間に入ったタイミングで打ち止めに。一瞬の静寂を挟んでから集団スプリントが始まった。
ひときわ小柄な
ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
がリードアウトを担い、その背後につけていたギルマイが残り300mで加速。
爆発的なロングスプリントするギルマイには唯一ファンデルプールが追従し、残り100m手前でスリップストリームを飛び出して並びかけるも、これを確認したギルマイはフィニッシュ手前でもう一段加速。
諦めたファンデルプールがサムアップで讃えるのを尻目に、ギルマイが勢いよく両手を振り上げた。
フィニッシュ直後、ファンデルプールと抱き合ったギルマイが、ついに待望の勝利に手を届かせた。アフリカ出身の黒人選手として初のグランツールステージ優勝という、アフリカ大陸にとって大きな大きなマイルストーンを打ち立てることとなった。
ステージ10 結果
各賞