こんにちは、マルコです。
めっきり寒くなって毎日、「家にあるいちばんあったかい服」
を無意識に着るようになり、気づけば1週間に数日同じ格好を
していることに気づきました…
新しいお洋服買いに行きます。
では、過去問いきましょう!
〔No.5〕 環境に配慮した建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.壁面緑化は、緑化による視覚効果が得られるとともに、空調負荷の軽減による二酸化炭素
排出削減効果も期待できる。
2.アースチューブは、地中に埋設したチューブに空気を送り込み、夏には冷熱源、冬には温熱源
として利用する方式であり、一般に、外気温の年較差が大きい地域ほど熱交換効果が大きい。
3.重力換気は、建築物に設けたボイド内の温度差を利用したものであり、ボイドの下部に排気口、
ボイドの上部に給気口を設けることが望ましい。
4.ダイレクトゲインは、窓から入射する日射熱を蓄熱体に蓄熱させ、日射が少ない時間帯に放熱させ
暖房効果を得る方式であり、蓄熱体の熱容量を大きくすることが望ましい。
パッシブデザインの手法です。
これは製図試験に密接にかかわる為、学科の為だけではなく
具体的にどんな手法なのかも理解するようにして◎です。
1.〇
壁面に下地となるものを設置して植物の弦を這わせたり、
植栽基盤を設置してそこに植物を植え付ける手法です。
外部と建築物の間に物理的に存在することで、夏季には日射熱を吸収し、
建築物自体を温めることを抑制するので冷房負荷を低減できます。
建物の西側に設けるルーバーなども同様の効果があります。
また、視覚効果も認められていて、各種景観計画にも取り入れられています。
2.〇
地中は通年約15度を保っており、外気温と比較すると冬は
温かく、夏は冷たいことが分かりますね。地下ピット等に外気を取り入れる
装置を設けて、地中熱を利用して温める/冷やす等の温度調整を行い、
建物内部に供給する等の冷暖房負荷の低減が図れます。
年較差=最高気温と最低気温の差が大きいほど、
外気温と地中との温度差も大きくなり、その効力がより発揮されます。
3.×
重力換気とは、温度差によって生じる空気の流れを利用した換気方法です。
ボイド内では一般に、上昇気流となるので、給気口を下部、排気口を上部に
設けるのが望ましいです。
誤り。
4.〇
ダイレクト(直接)にゲイン(得る、集める)という意味ですが、
何をゲインするのかというと太陽熱です。つまり冬期に太陽の熱を
壁や床に蓄熱し、そのまま室内に放射する手法です。
このとき窓は南側に設けます。蓄熱体はコンクリート等の熱容量の大きい
=その物体の温度を1度上げるのにたくさんエネルギーが必要
な材料が適しています。要は温まりにくいけど、冷めにくいものです。
いかがでしたでしょうか。
言葉自体を知っていないと難しいかも知れませんね。
ですが、パッシブデザインの手法はすでに街中にあふれています。
関心をもって見てみてください。
実物を見ると記憶にも定着しやすいです。
ここ数年の製図試験では、お決まりのように「パッシブデザインを取り入れた計画」が
設計条件になっていますし、計画の要点の記述にも出題されます。
二酸化炭素排出量の大きな割合を建築業界が占めていますが、
言い換えれば、環境保全に建築業界が大きく寄与できるということです。
みなさんが合格した際には、
ぜひ携わる計画にはパッシブデザインを積極的に取り入れてくださいね。
マルコ