東京文京区の白山神社。徳川5代将軍綱吉の信仰を受けた歴史ある神社だ。

あじさい祭りが、今年は6月8日(土)~16日(日)に開催されると聞き、見物にやって来た。

この時季、あじさいは家の近所でも、あちこちで開花し、梅雨の曇天に暗くなりがちな気分を明るく

してくれる。だが、白山神社では、なんと約3000株の多彩なあじさいを見ることが出来るのだ。

 

「文京花の5大祭り」に数えられるだけあって、それほど広くない境内は。外国人観光客を含め、多くの見物人でいっぱいだ。大学生のボランティアが、外国人向けの案内パンフレットも配っている。

 

境内は通路や道路際などに沿い、色、大きさ、形など様々なあじさいが、その美を競い合っている。

 

ところで、気象庁が実施する「生物季節観測」はご存じか。気象状況の推移を把握するため、標本木を決めて観測・発表することを指す。誰でも知っている「さくらの開花宣言」はこれにあたる。

 

オヤジは不勉強で「生物季節観測」という言葉を知らなかったのだが、「観測対象としてあじさいも含まれる」ということを、最近ニュースで知った。(それ以外にも、うめ、すすき、いちょう、かえでが対象だそうだ)

あじさいという花は、梅雨本番になればなるほどいきいきと美しくなるのが嬉しい。

花も大ぶりで、どことなくヨーロピアン?な感じがするが、日本自生の「ガクアジサイ」が原種だそうだ。それが欧州で品種改良されて「セイヨウアジサイ」となり、沢山の品種を生んだらしい。

 

また、あじさいは漢字で「紫陽花」と書くが、これは中国の漢詩人白居易が、ライラックの花を見て付けたものを、平安時代の日本の歌人が、ガクアジサイと思い込んで充て、そのまま広がったらしい。日本の古い文献では、「安知佐井」などと記されているそうだ。

あじさいは同じ株でも、育った土壌により色が変化する特徴がある。この特徴から、あじさいは「移り気」とか「高慢」とか、有難くない花言葉を付けられている。

 

あじさいの花にしてみれば、土壌の質に応じて、色を変化させているだけなのに、「移り気」だなどと好き勝手に言われたり、別の花の名前を間違って充てられたり、全くいい迷惑だろう。

 

まあ気分を害さず、今年もこれからの季節、我々の眼を楽しませて欲しいものだ。